研究課題/領域番号 |
16K06050
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
落合 成行 東海大学, 工学部, 教授 (40407995)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | トライボロジー / ドライガスシール / 可視化 / 最適設計 / セルオートマトン / 振動 |
研究実績の概要 |
ドライガスシールは、ターボ機械に広く用いられている重要な機械要素である。本研究課題では、最適なシール面パターンとは何かについて、最適設計及びシール面流れの可視化の観点から検討するものである。ドライガスシールの特性は、シール面のパターンに大きく依存するため、これまで様々なものが提案されているが、何れが優れているかについては、明らかにされていない。申請者は昨年度までに、パターンの一つの種類である連続溝の最適形状について実施し、有効な結果を得ている。またシール面流れの可視化も実施し、昨年度はシール面のミスアライメントが流れや漏れ量に及ぼす影響について取り組んだ。そこで本年度は、ガスシールとして重要な項目である振動条件下の特性に注目し、可視化および漏れ量測定を実施した。 本研究では、極めて薄いガスシール潤滑膜内の流れを可視化するため、多くの画像を平均化処理してPIV計測を行う手法を確立してきたが、振動条件下ではこの手法をそのまま用いることができない。そこで、振動に同期した画像を取り込めるようなシステムを新たに構築した。その結果、周波数を変化させた際の流れの可視化に成功し、さらにこれと漏れ量との関係について明らかにし、興味深い結果を得た。 一方で、シール面の最適パターンの導出手法として新たに自己組織化アルゴリズムとして知られるセルラーオートマトンの適用を実施した。その結果、これまで事例の無い最適化に成功し、漏れ量抑制と動特性改善に必要なパターンを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
昨年度までに前倒しでミスアライメント状況下の可視化を実施しており、本年度は、さらに難易度の高い振動条件下での可視化を実施し、興味深い結果を得た。また、最適化として、新たな手法を取り込み、最適パターンの導出に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
得られた最適パターンの実験検証を実施する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定よりも可視化用透明シールの作成が少なくなる一方で、本年度セルオートマトンにより導出した最適パターン数種類を新たに実施する必要が生じたため。
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