研究課題/領域番号 |
16K06080
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
田中 洋介 京都工芸繊維大学, 機械工学系, 助教 (80509521)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 流体計測 / ホログラフィ / 位相回復 / 混相流計測 |
研究実績の概要 |
昨年度に確立した画像変換による2台のカメラの画像素子面を1 pixel以下で一致させる手法とテレセントリックレンズを用いた観測体積拡大を用いて,今年度はマイクロメートルサイズの3次元空間に分布する微小物体群を3相の固体,液体,気泡について観測した. まず,平均粒径が70 μmの固体粒子群を空気中で自由落下させ,従来手法のGabor法と提案手法の2台のカメラを用いた位相回復ホログラフィを比較した.その結果,双画像問題の解消により,提案手法で得られた固体粒子群の3次元分布は,従来法に比べて鮮明な粒子像が得られ,二値化処理で容易に背景と粒子像の分離が可能であることを示せた. 次ぎに,対向するネブライザで発生した平均液滴径40 μmの噴霧液滴群を観測した.得られた再生像から,固体粒子群と同様に双画像の抑制確認と従来法では観測されなかった微小液滴と粗大液滴が混在する特徴的な分布構造を観測することができた. さらに,水素気泡法で発生した平均気泡径が40 μmの気泡群を観測した.得られた結果は,提案手法の双画像抑制効果を大津の自動しきい値判別法を用いて定量的に評価出来た.このことから従来手法より有効であることを示した.上記の観測は記録時より,観測体積の再生時に計算時間と記憶容量が大量に必要となる.今年度はコンパイラによる自動並列で計算能力を向上させて,バイナリ出力により記憶容量を低減することが出来た. 今年度で,微小粒子群の時系列データ処理が確立できた.加えて,提案手法で得られた位相情報を用いた粒子位置検出法の数値検証をおこなった.従来手法では困難であった検出が本手法では充分検出可能であることを示すことが出来た.以上の結果を8件(2件は国際会議)の口頭発表で公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度予定していた計算精度向上と処理高速化が計画通り進んだため.また次年度に向けて粒子位置検出の準備が整った.
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今後の研究の推進方策 |
最終年の3次元3成分の速度分布計測に向けて,粒子位置検出の確立をおこなう.
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