研究課題
基盤研究(C)
流体速度信号の時系列変化の複雑度を求めるために、情報量の概念を応用して、情報エントロピー、順列エントロピーを用いて複雑度を求めた。流体混合過程の典型的例として、噴流と周囲流体間の混合層に適用した。変動速度の確率分布の情報エントロピーは、混合層の乱流遷移過程において単調に増加して、乱流遷移の測度となり得た。変動速度の順列エントロピーは下流に進むと、混合層の乱流遷移過程における変動速度の増加や、周期変動から不規則変動への様式の変化を反映して複雑に変化した。
工学
我が国ではエネルギー技術の一層の革新が求められている。このため発電効率のさらなる向上や空調設備のなお一層の効率化が重要である。また、原子力発電所事故での放射能汚染の拡散と予測に対しては、流体の混合拡散の重要性を改めて認識させた。このため流体混合の目安つまり測度を客観的に、かつ実用的に使いやすい形で定める必要がある。本研究では新しい観点からコルモゴロフ複雑度に注目し、この混合や拡散の測度としての妥当性を明らかにした。