研究課題/領域番号 |
16K06093
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
北川 一敬 愛知工業大学, 工学部, 教授 (50278230)
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研究分担者 |
大谷 清伸 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (80536748)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 水中爆発の減衰 / 爆発環境の緩和技術 / 水流ジェット軽減 / 水中衝撃波 / 衝撃波 |
研究実績の概要 |
本研究では,自然災害,海底火山の災害発生時の減災と水中爆発で生じる被害規模の縮小と軽減への技術応用を最終的な目的とし,物体表面に取り付けた凹凸,半円形と楔形の複雑構造を持つ空隙媒体によって,水中爆発時の衝撃波,水流ジェット,爆発ガス膨張収縮運動の抑制により,物体に加わる過剰圧と衝撃力を減衰・軽減させて,物体損傷規模の縮小にかかる減衰・軽減効果の解明と手法を開発する.本研究期間で得られた結果は,水面付近に凹凸剛体壁がある場合,爆発生成ガスによりガスバブルが生成され,膨張するガスバブルは収縮と同時に凹凸剛体壁方向に移動し剛体壁表面上で膨張,収縮を繰り返す.ポリウレタンフォームの設置で,水中衝撃波による圧力の急激な立ち上がりは確認できない.水中衝撃波がフォーム中に貫入するとポリウレタンフォームのセル構造による非定常抵抗によって衝撃波が減衰され,衝撃圧力が拡散される.セル構造粗いポリウレタンフォームを設置した場合,爆発生成ガスは起爆点付近に膨張収縮運動をし,移動はしない.入射衝撃波,二次衝撃波と水流ジェット印加時の最大過剰圧・応力と換算インパルスに注目すると半円形Foam80が他の可変形空隙媒体より最も優れた減衰効果を有する.以上から,平成28年度の研究計画項目はほほ達成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.水面付近に凹凸剛体壁がある場合,爆発生成ガスによりガスバブルが生成され,膨張するガスバブルは収縮と同時に凹凸剛体壁方向へ移動,剛体壁表面上で膨張,収縮を繰り返す.この事から,爆発の軽減効果はほとんどない. 2.ポリウレタンフォームの設置で,水中爆発による急激な圧力上昇は確認できない.水中衝撃波は,ポリウレタンフォームのセル構造による非定常抵抗との干渉によって減衰し,衝撃圧力が拡散される. 3.入射衝撃波,二次衝撃波と水流ジェット印加時の最大過剰圧・応力と換算インパルスから半円Foam80が他の可変形空隙媒体より最も優れた減衰効果を有する. 4.3次元計算を開始し,実験との比較を行い,減衰効果の評価を行う.
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今後の研究の推進方策 |
水中爆発時に発生する衝撃波,二次衝撃波と水流ジェットによる動的破壊挙動を,凹凸,半円形,楔形の可変形の複雑構造媒体によって,物体損傷軽減の評価を行うことが研究目標である.フォームによる物体形状の影響を調べ,凹凸,半円形状の空隙フォームは,衝撃圧の減衰と水流ジェットを物体から遠ざける事ができ,当初の研究目標を達成した.特に,水中爆発の減衰と軽減効果は,衝撃波,二次衝撃波及び水流ジェットの減衰を行えばよく,媒体形状(三角,半円),媒体の密度,空隙率,音響インピーダンスやセル構造分布の変更から最大過剰圧・応力の上昇率と換算インパルス,非定常抵抗などから予測されるので,本テ-マ解決の糸口となる.
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次年度使用額が生じた理由 |
水中衝撃波用圧力センサーは,本学所有のセンサーにおいて,水中衝撃波圧の計測を行い,破損・消耗せずに使用する事が出来たためである.爆薬(アジ化銀)は今年度末まで,使用できる数が確保する事が出来たために,購入が不必要であった.研究は,おおむね順調に進んでおり,上記のセンサーと爆薬等,次年度購入予定である.
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次年度使用額の使用計画 |
水中衝撃波用圧力センサー2本,ピエゾ圧電型圧力センサー1本,爆薬(アジ化銀)6グラム,粒子画像流速計測用粒子,光学部品,成果発表,共同研究打ち合わせと実験に使用する予定である.
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