水に微量のアルコールを添加した二成分水溶液を沸騰媒体として用いるとCHFは飛躍的に促進される.この促進機構を解明するために,水,各種アルコール(2-プロパノール,ブタノール,ペンタノール)および表面活性剤(triton-X)水溶液の沸騰様相を,透明伝熱面を用いて可視化測定を行った.その結果,アルコール水溶液では,伝熱面上のドライアウトの拡大が大幅に抑制され,Triton-X水溶液では水の沸騰とほとんど差の無いことが判明した.このことから,二成分水溶液によるCHF促進は,伝熱面近傍に形成される不均一なアルコール濃度場に起因する伝熱面ドライアウトの抑制によることが明らかとなった.
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