研究課題/領域番号 |
16K06111
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大西 元 金沢大学, 機械工学系, 助教 (80334762)
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研究分担者 |
多田 幸生 金沢大学, 機械工学系, 教授 (20179708)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 熱交換器 / 翼型チューブ / 熱伝達 / 熱伝導 / 冷凍空調 / ヒートポンプ |
研究実績の概要 |
近年,エネルギー資源枯渇の深刻化が懸念され,持続可能な社会に向けて省エネルギー技術が注目されている.その中で,気液熱交換器はエアコンや冷蔵庫など,多岐にわたる用途で使用されており,熱交換器を高性能化することは機器の省エネルギー化に果たす役割が大きい.そこで本研究では,マイクロ翼型チューブ熱交換器を提案し,気相側の伝熱性能を向上するために形状を工夫し,形状変更に伴う各パラメータの及ぼす影響を追究する.また,マイクロ化に伴う冷媒用流路内の相変化伝熱特性に対する検討を行う.そして,高効率コンパクトヒートポンプ技術を確立するための知見を得ることを目的とする.本年度は,形状の工夫として,一方の翼型チューブから他方の翼型チューブに熱を橋渡しするブリッジを提案し,ブリッジが翼型チューブの伝熱特性に及ぼす影響を数値解析的に検討した.その結果,チューブ壁面が等温の場合はブリッジが検討した熱交換器の性能に及ぼす影響は小さいことがわかった一方で,固体内の熱伝導を考慮した場合は小さいブリッジを付設することで,温度低下が十分改善されることがわかった.それゆえ,ブリッジを設けることにより体積当たりの伝熱性能が向上することが示された.また,翼型チューブ内の相変化を伴う冷媒の蒸発特性を向上させるために,内径の異なる微細な冷媒流路を模した2本のステンレス管に,異なる熱流束を与えた場合の冷媒分配質量流束と圧力損失,蒸発熱伝達率の関係を実験的に評価した.その結果,異なる加熱量を与える条件において風上側流路径と風下側のそれに冷媒分配の観点における最適値が存在することが示された.さらに,マイクロフラットチューブを利用したフィンレス蒸発器の低温環境下における着霜特性と熱流動特性の実験的検討を行い,マイクロ翼型チューブの利用に向けた有用な知見を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,形状を工夫することでマイクロ翼型チューブ熱交換器の気相側の伝熱性能を向上させることを目的に,ブリッジが熱交換性能に及ぼす影響を数値解析的に検討し,十分な成果が得られた.また,実験的検討を行う準備を整えつつある.さらに,冷媒側の異なる内径を有する微細流路内二相流の蒸発を伴う熱流動特性を実験的に評価できる装置を製作することができ,さらにはそれを利用して冷媒側の蒸発基礎特性の把握ができた.それゆえ,おおむね当初の予定通りに進展しているといえる.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,提案するマイクロ翼型チューブ熱交換器のさらなる高性能化を図るため,気相側ではさらに形状を工夫した翼型チューブ熱交換器に関する検討を数値シミュレーションと実験の両面から進め,最適形状を追究する.さらに,引き続き翼型チューブの微細流路内冷媒の相変化を伴う熱流動特性を実験的に評価し,内径が異なる並列の流路と内径が同じそれにおける特性の違いを把握する.具体的には,内径条件が異なる場合に,異なる熱流束を与えた場合の気液二相流蒸発熱伝達特性と圧力損失特性について実験的に検討し,内径条件の違いが与える影響について評価する.さらに,ハイスピードカメラ等の可視化装置を組み合わせて冷媒の蒸発挙動を観察し,マイクロスケールにおける流量・熱流束条件と流動様相の関係を評価する.また,耐着霜性の向上を目指し,新たな方式のマイクロチューブ熱交換器についての基礎的な検討を行う.
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