本研究では,機能表面を利用した気泡挙動操作技術を開発するため,①自然対流気液二相流および,②マイクロチャネル内気液二相流を対象とした実験を行った.その結果,研究①では,撥水部の幅が2 mmの機能表面を利用することにより,熱伝達率が約30%増加することがわかった.これは,撥水部での円滑な気泡の付着と離脱により,伝熱面付近の気泡存在頻度が増加したことに起因する.一方,研究②では,並列配置の撥水性ポケットを有するマイクロチャネルを利用した場合,液体流量が100~400μL/minの条件では,空気充填ポケットからの気泡生成が生じ,また,その気泡発生頻度は液体流量の増加とともに増大することがわかった.
|