本研究は,新規有機系収着剤を用いた蓄熱システムの構築を目的としている.有機系収着剤は,水蒸気を取り込み,吐き出す性質を有する物質である.本収着剤粒子やガラスなどをコアにして周囲に収着剤を塗布した複合粒子を用いて流動層とし,潜熱蓄熱のための収脱着挙動を把握することによりシステム展開のための基礎的知見を得ることを目的としている. 研究では,システムを模擬する実験装置を作製し,各粒子を使用して基礎的実験を行い,空気流速,温度,湿度,および粒子量などの影響を検討した. さらに,容器に充填した粒子層の内部の有効熱伝導率を測定するなど,有機系収着剤を用いた蓄熱システムの構築のための有用な資料を得た.
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