研究課題/領域番号 |
16K06130
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研究機関 | 玉川大学 |
研究代表者 |
大久保 英敏 玉川大学, 工学部, 教授 (80152081)
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研究分担者 |
宇高 義郎 玉川大学, 工学部, 教授 (50114856)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 物質輸送 / 省エネルギー / 冷凍空調 |
研究実績の概要 |
霜結晶生成・成長機構を観察するための顕微鏡撮影システムを構築し,水平上向き平面系で実験的検討を行った.まず,温度境界層内にSUS304製金網を設置し,境界層内で霜結晶を成長させ,霜結晶の生成・成長機構の観察を行った.結果として,過冷却液滴の生成・成長機構を明らかにすることができ,過冷却液滴の制御が着霜の低減化に有効であることが確認できた.また,過冷却液滴高さの時間的変化および霜層厚さの時間的変化を測定し,冷却面表面温度の影響を検討した.さらに,鉛直平面系で実験を行い,水平上向き平面系と同様に,過冷却液滴の制御が着霜の低減化に有効であることが確認できた. 次に,鉛直平面系での着霜現象に及ぼす諸因子の影響を検討し,霜層厚さおよび着霜量を予測する式を作成し,計算値と実験値および非均質霜層成長モデルの計算結果との比較検討を行った.作成した予測式は,非均質霜層成長モデルの計算結果と比較して,鉛直平面系の実験値との対応が良好であった.また,金網面上から成長する霜層厚さの測定を行い,計算値と比較した結果,水平上向き平面系でも鉛直平面系でも低減効果が確認できた. 冷却面である無酸素銅表面を観察した結果,表面に沿って生成・成長した氷の層が確認できたが,霜結晶のように冷却面に対して垂直方向に成長する結晶は確認できなかったことから,温度境界層内にSUS304製金網を設置することによって境界層内での除湿を実現し,冷却面表面上での着霜を抑制できることが明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
境界層内での金網面への着霜現象を把握することができたが,この霜層の霜層表面温度分布および着霜量の評価は次年度の課題である.既存研究の多くは霜層の平均値を測定しているが,本研究では,局所値の測定を目的の一つとしており,測定方法の検討が必要である.
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は,霜層の3D形状測定システムを構築し,霜層の3次元解析を行う.この解析結果に基づいて,霜層の密度分布および空隙率分布を評価する.また,鉛直平面系で実験的検討を行い,霜結晶の生成・成長機構を観察するとともに,着霜現象を理解するために評価すべき諸量として,着霜量,霜層厚さ,霜層表面温度,伝熱量を局所値として測定し,温度境界層内における水蒸気の凝縮および霜結晶の成長を考慮した自然対流下での着霜を伴う熱および物質移動について明らかにする. 平成30年度は,温度境界層内に設置した微小物体の影響を明らかにするとともに,霜結晶生成機構の制御および抑制を実現する提案を行い,実用化に向けて有効性を確認する.
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次年度使用額が生じた理由 |
寒材(液体窒素)の入手に困難が生じたため.
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次年度使用額の使用計画 |
物品費で使用.
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