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2018 年度 実施状況報告書

乱流燃焼場におけるレイノルズ応力の計測とそのデータベース化

研究課題

研究課題/領域番号 16K06136
研究機関東京都立産業技術高等専門学校

研究代表者

古川 純一  東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 名誉教授 (70173523)

研究分担者 齋藤 博史  東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 助教 (40401450)
橋本 英樹  神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (80383488)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード乱流予混合火炎 / 乱れの計測 / レイノルズ応力
研究実績の概要

これまでに,当量比0.80,1.10および1.40のプロパン火炎におけるレイノルズ応力の計測を行った.乱流火炎帯におけるガス流速の計測では,レーザー流速計で記録され得る速度信号が未燃焼混合気の流速なのか,あるいは燃焼ガスの流速なのかを判別する必要がある.ガス流速のバーナ半径方向成分は,火炎片の前後における発熱に起因する熱膨張のために,未燃焼混合気と燃焼ガスの二つのモードが観察される.したがって,ガス流速を未燃焼混合気の流速と燃焼ガスの流速に判別しない場合,平均流速は二つのモードの中間の価となり,この平均値に基づく速度変動は極めて大きくなり,大きな誤差を誘発する原因となる.従って,先ず,乱流火炎帯における平均流速の定義から改めなくてはならないことが明らかになった.すなわち,ガス流速を未燃焼混合気のそれと燃焼ガスのそれに判別し,未燃焼混合気の流速と燃焼ガスの流速に判別する.速度変動は,それぞれのモードの平均流速に基づき定義する発用がある.
火炎が存在することにより,速度境界層の構造が大きく変化する.すなわち,非燃焼時には,ガス流速のバーナー軸方向成分はバーナ半径方向に減少するが,燃焼時には,火炎面の前後における発熱に起因する熱膨張のために,境界層内の流速が増加し,速度分布が平坦になる.そのために,速度勾配が減少し,レイノルズ応力は著しく減少する.
プロパン火炎における実験結果から,層流燃焼速度が等しい燃料希薄側と燃料過濃側を比べると,燃料過濃側で,火炎面の前後における乱れの増加が著しいことが明らかとなった.これは,燃料分子と酸素分子の間の拡散速度の違いにより引き起こされる選択拡散効果であると考えられる.今後は更に,選択拡散が起きにくいメタン火炎における乱れの増加を明らかにしていく.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

レーザー流速計で計測している速度信号が未燃焼混合気の流速であるのか,あるいは燃焼ガスの流速であるのかを判別するために,レーザ流速計と発光分光計測システムとの同時計測を行っている.しかし,発光分光計測システムのI/Vアンプが老朽化により使用不能となったため,新たに製作し直したため,その製作期間分(約6ヶ月)送れている.

今後の研究の推進方策

プロパン火炎では,層流燃焼速度が等しい燃料希薄側と燃料過濃側を比べると,燃料過濃側で,火炎面の前後における乱れの増加が著しいことが明らかとなった.これは,燃料分子と酸素分子の間の拡散速度の違いにより引き起こされる選択拡散効果であると考えられる.
今後は更に,選択拡散が起きにくいメタン火炎における乱れの増加を明らかにする.

次年度使用額が生じた理由

発光分光計測システムのI/Vアンプが故障したため,当初予定していたメタン火炎の実験が遅れ,実験データが出なかった.そのために,予定していたSwaminathan教授との打ち合わせを延期した.
メタン火炎の実感結果が出次第,Swaminathan教授との打ち合わせの為,英国に出張する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 乱流予混合火炎における流れ場の計測2018

    • 著者名/発表者名
      牧田庸寛,斉藤博史,古川純一,橋本英樹
    • 学会等名
      第56回燃焼シンポジウム

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公開日: 2019-12-27  

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