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2017 年度 実施状況報告書

MEMS式熱量計によるナノ粒子表面比熱の検証と比熱法則拡張への挑戦

研究課題

研究課題/領域番号 16K06140
研究機関国立研究開発法人産業技術総合研究所

研究代表者

阿部 陽香  国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (70462835)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード比熱容量
研究実績の概要

本研究では、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いて、示差熱測定式の熱量計を開発し、ナノ粒子の直接的な微小熱容量測定を実現することにより、バルク材の比熱としてはこれまで考慮されていなかった表面比熱の影響を系統的に検証することを目的としている。本研究で開発する示差熱測定式MEMS熱量計は、二つの試料を置くことができる双子形状をしており、二つの試料の微小熱量差を検出することに特化した構造となっている。したがって、バルクとナノ粒子、又はサイズが異なる2種類のナノ粒子を同時測定することにより、その微小な熱容量の差異を抽出することができる。今年度は、昨年度に引き続き、MEMS熱量計に関する調査研究を行うと共に、示差熱測定式MEMS熱量計の設計・製作及び測定システムの整備、測定プログラムの改修を進めた。熱量計の設計は、シリコン基板上に厚さ20μmの熱酸化膜を付けることにより、基板と試料の熱接触をできるだけ抑える構造とした。基板上に作成する構造は、試料ホルダー、試料加熱用ホルダー、試料温度測定用センサー、熱補償用ヒーター、基板温度測定用センサーとし、全体で10×20mm角の大きさとした。配線には、コンタクトプローブを用いたソケットを使用することにより、測定の簡便化を図った。今年度は、温度コントローラを購入するなど、温度制御についての整備を行った。さらにLabviewによる測定プログラムに関しての検討を行った。さらに昨年度に引き続き、MEMS熱量計のマクロなモデルとなる示差走査熱量計を用いた多層カーボンナノチューブの比熱容量評価を実施し、関連学会での成果発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

MEMS熱量計を設計する過程で、材料の選定や構造に関わるミクロな熱流入の影響等の課題が生じたため、設計の再検討を行った結果、計画が遅れている。予算としては、1設計しか発注できないため、慎重に設計すると共に、速やかに発注を行いたいと考えている。一方、測定プログラム、解析プログラムに関しては、十分な検討を行えたので、次年度の測定が円滑に行えると期待される。

今後の研究の推進方策

測定系の準備を進めると共に、設計を再検討しているMEMS熱量計の作製を速やかに行い、測定計画を実行する。

次年度使用額が生じた理由

今年度計画していたMEMS熱量計の作製が遅れたため、次年度、当該作製費への使用を計画している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] DSCによる比熱容量測定 Ⅶ -多層カーボンナノチューブの評価-2017

    • 著者名/発表者名
      阿部陽香
    • 学会等名
      第53回熱測定討論会(日本熱測定学会)

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公開日: 2018-12-17  

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