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2018 年度 実施状況報告書

常時励振したFBG振動子により過酷な環境下で動作可能な全光型多点振動測定システム

研究課題

研究課題/領域番号 16K06167
研究機関岐阜工業高等専門学校

研究代表者

熊崎 裕教  岐阜工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (70270262)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードFBG / グレーティングファイバ / 低周波振動測定 / 反応性イオンエッチング / 非対称断面加工
研究実績の概要

FBGを利用して振動などの動的な計測を実現する一般的であるレーザ復調方式、および光フィルタ復調方式による波長-光強度変換法の課題を解決すべく、非対称断面をもつFBGをセンサとして光学的な振動測定を行った。復調用にはセンサ用と近似の反射光特性をもつFBGを用いており、両反射光スペクトルの非重複部分に相当する光強度が測定される。これにより、レーザ復調方式の課題であった周囲温度の影響を受けにくいシステムが実現できる。長さ12mm、反射中心波長1549.3nmのFBGを異方性エッチングによりクラッド厚さ20μmに加工した。未加工の側面に光熱吸収用のコーティング処理を行った後、FBGの根元をガラスマイクロキャピラリーで固定し、片持ち梁状のセンサFBGとした。まず、強度変調した半導体レーザ光の変調周波数を変化させながらスピーカー(80 W, 47 Hz~47 kHz)上に固定したセンサFBGに照射し、光熱振動するセンサFBGの共振特性を測定した。共振周波数の理論値に近い442Hzで共振が確認された。その後、予め、その共振周波数でセンサFBGを光熱振動させた状態で、スピーカーにより50Hzの機械的振動を与え、合成振動波形が測定できるか実験を行った。振動測定波形は光熱振動の励振信号(442Hz)と同期するとともに、50Hzでも周期的に振動しており、光熱振動と機械振動による合成振動波形が測定できることが示された。強度変調したレーザ光照射によって非接触に常時励振した振動子に外部から低周波振動が印加されると生じるビート振動を利用すれば、電磁的なノイズの影響を受けることなく、低周波振動の振幅および周波数を遠隔で測定可能になる。静止モード(光熱振動なし)と励振モード(光熱による励振)の選択ができ、励振モードを用いた場合、色々な方向及びモードを持つ各種の機械振動をより高感度で検出できる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

エッチング型センサFBGの機械的な脆弱性が課題として明らかになったものの、復調用FBGの反射光スペクトルについては接着した三角柱状ゴムの曲げにより半値幅など反射光スペクトルの制御が可能になったため、センサ用FBG加工の際、実験の際に破損等に注意すれば、安定した振動測定ができる状況になった。

今後の研究の推進方策

これまで実験を行ってきたエッチング型センサFBGに脆弱性を改善する方法として、板バネ装着型FBGをセンサの一つに追加し、エッチング型、板バネ装着型の二種類のセンサについて、振動の測定範囲、測定精度、直線性の特性比較を行っていく計画である。原理的には、測定範囲と測定精度はトレードオフの関係にあることは両者に共通するが、どの程度の振動まで検出できるか明らかにする予定である。一方、小型振動発生器の振動状態を把握する方法としてレーザー変位計を導入し、センサに与える機械振動の振幅等を正確に認識できるようになった点で大きな改善ができた。

次年度使用額が生じた理由

FBGを中心に購入したが、全額を使い切ることができなかった。当初予定していた次年度予算に追加使用する方向で具体的な購入物品を再検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Vibration measurement system using an always vibrating FBG built-in sensor driven by photothermal energy2018

    • 著者名/発表者名
      Hironori Kumazaki
    • 学会等名
      OFS-26 26th International Conference on Optical Fiber Sensors
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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