研究課題/領域番号 |
16K06185
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
佐々木 大輔 香川大学, 工学部, 准教授 (50372686)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ウェアラブルロボット / 空気圧 / ソフトアクチュエータ / 人間支援ロボット |
研究実績の概要 |
本研究では,チューブを使用した管路の閉塞現象を利用し,軽量かつ大流量を通過可能なバルブを実現するため,空気圧アクチュエータを用いた簡便な内部構造を持つ エアオペレートバルブの開発を行った.本年度は,昨年度の4ポート型の問題点を解決すべく新たに2ポート型エアオペレートバルブを開発し,推定有効断面積を実験的に求め開発したバルブの流量特性を評価した.パワーアシストウェアの駆動に十分な性能を有しながら軽量であることから,次年度開発を行うバルブが直接接続されたアクチュエータを使用したパワーアシストウェアの実現可能性がさらに高まったと言える. また,空気圧供給システムの性能は容積可変タンクの特性に影響され,特にタンクへの圧縮空気の流入・流出時のエネルギー損失がタンクのエネルギー特性推定に大きく影響していた.そこで,本研究では容積可変タンクにおける流入流出時のエネルギー損失モデルの構築を行った. エネルギー損失の原因は圧力損失ならびに熱損失である.圧力損失は,管路の急拡大,急縮小時における圧力損失に基づき定量化した.また,タンクに空気が流入するとき,タンク内に存在する空気は流入する空気により圧縮され発熱する.また,タンクから空気が流出する時には,タンク内の空気の膨張により周囲から熱を吸収する.空気が流入し流出されるまでの間,周囲環境へ熱が放出されることによりエネルギーが損失すると考えた.本研究で,提案する熱損失モデルでは微小時間に流入する微小量の空気を1つの塊と考え,この微小容積分だけタンク内の空気が圧縮,膨張すると考えている.1回の流入出における内部温度の変化は微小と仮定し,等温変化としてモデルを構築した. エネルギー損失のモデル化により空気圧供給システムを構築する際の,ウェア駆動にあたっての容積可変タンクに蓄積すべきエネルギー量ならびにエアポンプの要求吐出性能を明らかにできる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
パワーアシストウェアを実現するにあたっての,重要な技術的課題はその周辺機器のウェアラブル化にある.従来は市販品に頼らざるを得なかったエアバルブなどを独自の軽量なバルブで置き換えることが可能になったため,目標実現に向けて大きく前進したと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
本年度開発したバルブを実装したパワーアシストウェアの開発を行うとともに,構築したエネルギー損失モデルに基づく空気圧供給システムの駆動によるスタンドアローン可の実現可能性に関して研究を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画を遂行する上で必要な消耗品に関して,次年度の研究と併せて実施する事が合理的であることが当該年度終盤の研究結果から判断されたため
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