研究課題/領域番号 |
16K06186
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
相良 慎一 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (50235199)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 水中ロボット / マニピュレータ / 位置制御 / 力制御 / インピーダンス制御 |
研究実績の概要 |
本研究は,1本の腕に2つの力覚センサを設置した3リンク双腕水中ロボットを研究対象とし,マニピュレータを持つ浮遊型水中ロボット(UVMS; Underwater Vehicle-Manipulator Systems) の力制御法開発を,実験を通して行うことを目的としている. H29年度(2年目)では,まず,1年目に試作したジャバラを用いた防水力覚センサユニットの計測基礎実験を,高さ2mの実験用水槽内で行った.ジャバラ伸縮方向の力計測においては深度に応じた力が重畳されるが,試作防水ユニットにより力およびトルクの計測が可能であることを確認した.また,この結果に基づき,今後実験で使用する,残り3つの防水力覚センサユニットを製作した. 次に,浮遊状態のロボット本体(ベース)とマニピュレータ手先の位置制御が可能なUVMS用分解加速度制御法を元に1年目に開発した,片腕手先のインピーダンス制御法の性能評価を継続して行った.具体的には,ベースが固定されていると仮定した場合とベースが浮遊している場合の二通りの制御則を用いて,片腕手先の目標発生力を種々変化させたシミュレーションを行った. シミュレーション結果では,ベース固定および浮遊の二通りの制御則の制御性能に違いがないことを確認した. また,ダイバーの作業と同様に,水中固定物体を一方の片手で把持してロボットのバランスを取りつつ,もう一方の手により力作業を行うことを目的とし,水中固定物体を片手把持した場合の浮遊UVMS用分解加速度制御シミュレーションを行い,浮遊用位置制御法が片手把持した場合でも適用可能であることを確認した. さらに,浮遊状態におけるインピーダンス制御実験の準備を進め,実験環境を整えた.また,固定物体片手把持の位置制御実験を開始した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
防水力覚センサユニットの開発が遅れたため,センサユニットを用いた力制御基礎実験の実施まで至らなかった.なお,当初の研究実施計画においても,実験が順調に進まない場合も想定して3年目も制御実験を行うこととしており,全体の計画には影響しない.
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今後の研究の推進方策 |
3年目は,まず,ベース浮遊状態や水中固定物体片手把持など,種々の条件下におけるマニピュレータ手先の押し付け実験を行い,開発制御法の改善を図りつつ適用条件等を明らかにする.つぎに,水中ロボットに力覚センサが搭載されているので,ベースとマニピュレータの自律型制御法に加え,ベースは自律制御であるがマニピュレータはマスタースレーブ方式によるバイラテラル制御である半自律型制御法に対する,力覚情報の適用可能性を実験により検討する.
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