研究課題/領域番号 |
16K06191
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研究機関 | 千葉工業大学 |
研究代表者 |
林原 靖男 千葉工業大学, 先進工学部, 教授 (20298293)
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研究分担者 |
上田 隆一 千葉工業大学, 先進工学部, 准教授 (20376502)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ヒューマノイドロボット / ロボットプラットフォーム / ロボカップ / 頑健 / 自律 |
研究実績の概要 |
本研究は,頑健な自律型の小型ヒューマノイドロボットプラットフォームを構築して,その技術を公開することを目的とする.平成28年度の計画は,公開を前提とした小型ヒューマノイドロボットのハードウェアを設計・製作し,その頑健さを実験により検証することであった. 結果的に,計5回の設計の改良と2回の試作を行い,小型ヒューマノイドロボットを完成させた.ロボットのメカニズムに関しては,3DCADデータと製作方法・過程をまとめて,インターネット上に全て公開した.計画書の通り,部品は一般的に入手しやすいものに限り,加工に関しても30万円程度の比較的安価な卓上CNCでほとんど加工できるようにした.また,製作者のスキルに依存しないように曲げ加工をできるだけ排除した.ネジをいくつか外すだけでモータ交換できるようにするなど,メンテナンス性にも配慮して設計した.また,電子回路に関しても,回路図とガーバーデータ(製作に必要なデータ)をインターネット上に公開した.なお,カメラやIMU(姿勢を検出するセンサ)など,自律サッカーロボットとして必要な部品は全て搭載している.これらのデータがあれば,ハードウェアを完全に再現することが可能である.さらに,頑健さを検証するために,加速度が最高120Gを超える転倒実験を計80回実施した.また,連続30分の歩行実験を行い,サーボモータが最高45度程度にしかならないことを確認した.これらの耐久試験後も問題なくロボットは動作しており,本ロボットは頑健さが要求されるサッカーロボットなどのプラットフォームに相応しいと考えられる結果が得られた.なお,本成果に関しては,平成29年5月に開催される日本機械学会ロボティクスメカトロニクス講演会で「ロボカップ用オープンプラットフォームヒューマノイドロボットの開発 第1報 メカニズムの設計と製作」というタイトルで発表する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画書の通りに研究が進んでいる.ハードウェアの研究・開発,評価が平成28年度の課題であったが全て行うことができた.なお,公開に関しては平成30年度に予定していたが,順次公開することに予定を変更して,ハードウェアに関しては平成28年度に公開した.
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今後の研究の推進方策 |
研究実施計画の通り,平成29年度は,ソフトウェアのポーティングとハードウェアを動かしながらの頑健さの検証を行う.また,歩行速度や,歩行時の故障率,画像処理のフレームレートなどの諸元を採取する.
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次年度使用額が生じた理由 |
学会発表やウェブ上への成果公開が前倒しになったことで、これらの完成度を上げるための議論の割合が多くなり、予定していたロボット構築作業が翌年度にずれ込んだ。
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次年度使用額の使用計画 |
作業順序の入れ替えで発生した,計画当初は平成28年度購入予定だった消耗品(ロボットの部品など)の購入に充てる.
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備考 |
ウェブ上にハードウェアの設計データを全て掲載しています.また,製作過程に関しても掲載しています.
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