本研究では,ディスク型セルフベアリングモータに円筒型の磁気回路を加え,エアギャップに単極磁界を発生させることで,ロータのラジアル方向の力とラジアル軸周りの傾きトルクを発生させ,ロータの姿勢制御を行うセルフベアリングモータの開発を行っている。本方式では,1組のステータとロータでラジアル方向の力と傾きトルクを発生させることができるため,従来の方式では実現できなかったロータの片面のみにステータを配置した構造で,5軸の姿勢制御を行うことが可能となる。 平成30年度は,実験装置の改良を行った。まずロータの両側にステータを配置した構造では,ホール素子と永久磁石を用いた回転角度センサの取り付けを行った。また実験中に駆動アンプに発熱の問題が発生したため,駆動アンプの再製作を行った。片側にステータを配置した構造の装置ではセンサの取り付け位置やタッチダウンの構造を見直し,ロータとステータのエアギャップの調整を行った。 また本研究で得られた知見により単極磁界と4極磁界の組み合わせだけでなく,モータの磁極数±2極の回転磁界によってもラジアル力とラジアル軸周りの傾きトルクが発生できることがわかった。そこで4極のモータ磁極と2極と6極の回転磁界の組み合わせによる5軸能動位置制御型の実験装置の設計を行い,実験装置の製作した。装置は電磁鋼板に8枚の矩形状の永久磁石を貼り付けたロータ,12個の空芯コイルを電磁鋼板に取り付けたステータを製作した。実験装置の試験は制御システムの構築ができなかったため,次年度に行う予定である。 平成30年度では,制御システムに問題が発生したため実験による検証が十分に行うことが出来なかったが,今後,継続して試験を行っていく予定である。
|