現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成28年度の【1】ORiNの仕様調査と制御系の開発に必要となる機能の抽出、【2】ORiNが搭載された産業用ロボットへの「CLSデータに基づく軌道追従制御法」の適用実験と評価、に加えて平成29年度は【3】STLデータの最適化機能の開発と【4】最適化されたSTLデータに基づく工具経路のスマート生成法の開発を計画通りに実施することで、ORiNミドルウェアが搭載されたロボットのための3Dプリンタライクなインタフェイスの要素技術を構築できた。 [1] F. Nagata, K. Watanabe and Maki K. Habib, Machining Robot with Vibrational Motion and 3D Printer-Like Data Interface, International Journal of Automation and Computing, Vol. 15, No. 1, pp. 1-12, 2018.
この他、産業用ロボットを使った不良品の自動検出・仕分システムを開発するために必要となる人工知能については、深層学習を応用することで基本システムの設計を行うことができた。 [2] F. Nagata, K. Tokuno, H. Tamano, H. Nakamura, M. Tamura, K. Kato, A. Otsuka, T. Ikeda, K. Watanabe, M.K. Habib, Basic Application of Deep Convolutional Neural Network to Visual Inspection, Procs. of International Conference on Industrial Application Engineering (ICIAE2018), pp. 4-8, 2018.
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今後の研究の推進方策 |
【5】「3Dプリンタライクに利用できる切削加工ロボット」の開発と加工実験による総合性能の評価 平成29年度のサブテーマ【3】,【4】で開発したプリプロセッサの機能で得られるSTLデータから算出された工具経路(CLSデータ)を、平成28年度のサブテーマ【1】,【2】で開発したORiNに対応した基本制御系の目標軌道として与えることができるようにソフトウェアを開発する。これにより、「3Dプリンタのような操作性で利用できる除去加工ロボット」を実現する。その後、CADで設計した自由曲面を有する木型や発泡スチロール型のモデルに加え、イラストレータなどのデザインツールで作成したオーナメントやアウトラインフォントをSTL形式で生成し、提案するロボットでダイレクトに加工するといった実加工実験を通じて総合性能を評価する。なお、本研究で対象とする材料は型製造メーカからの需要の多い木質材料と発泡材料である。 以上の研究計画のとおりに進行させることで、最終的に「3Dプリンタライクなデータインタフェイスを持つ加工ロボット」を、ORiNインタフェイスを持つ産業用ロボットのベストプラクティスとして発表する。さらに、深層学習 (Deep Learning)の技術を応用し、産業用ロボットを使った不良品の自動検出・仕分システムを開発するために必要となる人工知能の設計技術を構築する。
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