研究課題
既にORiN 協議会からはORiNの適用事例が含まれたISO20242-Part4が正式に国際規格となっているとの報告が出ており、今後は国内外を問わずその認知度がいっそう高まっていくものと期待される。さて、これまでの研究では、平成29年度のサブテーマで開発したプリプロセッサにより、3Dプリンタでは一般的に使用できるSTLデータから直接、工作機械用の工具経路であるCLSデータを生成できるようにした。また、このCLSデータを平成28年度のサブテーマで開発したORiNに対応した基本制御系の目標軌道として与えることで「STLデータをもとに3Dプリンタのようなデータインタフェイスで利用できるORiNに準拠した切削加工ロボット」を実現することができた。このほか、実時間に基づく加工ロボットの工具先端の位置精度を高めるためにbCAPパケットに対応した制御系を構築し、ロボットのユーザインタフェイス(操作画面)から選択できるようにした。その後、CADで設計した自由曲面を有する木型や発泡スチロール型のモデルに加え、イラストレータなどのデザインツールで作成したオーナメントやアウトラインフォントをSTL形式で生成し、提案するロボットでダイレクトに加工するといった加工実験を通じて提案システムの妥当性、有用性を確認した。なお、本研究で対象とする材料は型製造メーカからの需要の多い木質材料と発泡材料である。以上のように平成28年度から30年度までの研究により、最終的に「3Dプリンタライクなデータインタフェイスを持つ加工ロボット」を、ORiNインタフェイスを持つ産業用ロボットの有効なアプリケーションとして発表することができた。
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