本研究では,電気自動車(EV)の充電行動を明らかにすることを目的とする。具体的には,充電の要否,充電場所,充電種別,充電時刻などに関する意思決定を把握し,さらには充電の可制御性を明らかにすることを目指す。これにより,EVの普及に寄与すると共に,EVから電力需給に併せた充放電を行うVehicle to Grid(V2G)の利用方策を具体的に示すことが可能となる。即ち,EVの低炭素化ポテンシャルを最大限に発揮させるため,充電行動の解明と行動変容の可制御性を明らかにすることを目指した。 始めに,充電器の実際の利用履歴を用いてEVの充電行動を大局的に把握した。並行して,EVユーザに対するアンケートを実施した。利用履歴とアンケート結果を用いてEVの充電行動をモデル化してシミュレータを構築し,充電インフラや蓄電池容量が充電行動に与える影響を定量的に解析した。さらにシミュレータを用いて,EVの充電要否判断を需要応答(DR)を意図して誘導した場合の充電電力量の変化量を示した。
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