平成30年度は提案する電解コンデンサレスインバータの入出力波形制御法の評価として、系統連系時を想定した制御法の検証を行い研究成果のまとめを行った。 系統連系では、負荷である系統電圧の変動が電力変換器の動作に影響する。特に、本研究で提案する電解コンデンサレスインバータには、電力変換器の内部に大容量のエネルギーバッファを有していないため、負荷側の変動が入出力波形に及ぼす影響は大きくなる。 そこで、本年度は、電解コンデンサレスインバータにおいて、負荷側の変動の影響を考慮した制御系を構築して効果を検証した。提案する制御法は、出力電力脈動を推定するために出力電力をハイパスフィルタ(HPF)に通すことで求める。デカップリング回路の補償電流を求めるために出力電力をDC電圧で除算することで出力電力脈動を補償するための電流指令値を求める。そして、デカップリング回路の電圧制御ではの平均電圧を制御する。このようにキャパシタ電圧を一定に制御する電流指令値にデカップリング回路の充放電電流指令値を加算することによって,負荷側の変動にも対応できるデカップリング回路の充放電動作を実現できる。本制御法を適用した結果、系統電源側の変動に対しても、DC電圧のリプル率を30%以内に収めることができ、提案システムの有効性を確認した。 以上より、本研究で開発する電解コンデンサレスインバータの系統連系接続を想定した制御法の有効性を確認した。
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