研究課題/領域番号 |
16K06215
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
高野 浩貴 福井大学, 学術研究院工学系部門, 講師 (50435426)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 需給マネジメント / 最適化 / マイクログリッド / スマートグリッド / 再生可能エネルギー / 不確実性 / デマンドレスポンス |
研究実績の概要 |
本研究は,現行の需給運用方式で再生可能エネルギー利用電源(RE電源)をどこまで活用できるのか,更なる活用にはどのような要素がどれだけ必要になり得るのかを数理的制約充足性の見地から明らかにすることで,合理的な電源運用,RE電源・電力貯蔵装置導入戦略を見出すと共に,計算機シミュレーション,実験の両側面からの検証を含めて,確定的アプローチや確率的アプローチを適切に組み込んだ新しい需給マネジメント技法を創案することを目的とする。平成28年度は,現有技術による対象問題の特徴分析,一般的な解法の運用計画探索性能の評価,現有技術を拡張・改良した需給マネジメント試作技法の構築を中心として行った。また,RE電源などによって生ずる不確実さの適切な扱い方,電力自由化等の新たな要素の影響などについての検討も行った。さらに,平成29年度実施予定であった,試作技法のマイクログリッドシミュレータへの実装についても検討を行い,見通しを立てるまでに至った。 これらの成果として,平成29年電気学会全国大会(富山)にて3件の研究発表を行い,高い評価を受けた。また,Intelligent System Applications to Power Systems 2017 (ISAP 2017) (San Antonio, U.S.A.)に1件,International Coference on Electrical Engineering 2017 (ICEE 2017)に4件の論文を投稿している(ISAP 2017:査読中,ICEE 2017:Abstract採録済み,Full Paper査読中)。また,電気学会論文誌Cに1件の論文が採録されることとなった(2017年8月掲載予定)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は,(1)現有技術による対象問題の特徴分析,(2)一般的な解法の運用計画探索性能の評価,(3)現有技術を拡張・改良した需給マネジメント試作技法の構築を実施予定であった。現在,これら三つは予定通りに進行しており,さらに,平成29年度実施予定の(4)シミュレータへの試作技法の実装,(5)実験と計算機シミュレーションによる比較・検討に着手している。各段階で得られた研究成果の発表も行っており,研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度以降は,(4)シミュレータへの試作技法の実装,(5)実験と計算機シミュレーションによる比較・検討,(6)現状で実現し得る最良の需給マネジメントの探求,(7)次世代需給マネジメント技法の創案・実証,を実施していく予定であるが,前述の通り,この一部は既に着手している。ここまでの検討において,現状の計算機性能で対応可能な問題の規模が明らかとなりつつあり,近似最適化技法の導入,問題の冗長要素の簡略化などを取り入れ,適用可能範囲の拡大を図りたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
3月中期に予定していた出張が4月初期に変更になったことと,ソフトウェアライセンス更新時期の関係で,当初計画と若干のズレが生じました。
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次年度使用額の使用計画 |
情報収集を目的とした出張の旅費,ソフトウェアライセンス料として既に使用しました。
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