本研究では,高温超伝導コイルで問題となる遮蔽電流を起因とした,電流分布,不整磁場分布,不均一電磁力の課題を評価・解決するための解析を実施した。具体的には,以下の3つの成果を上げた。①マルチフィラメント間のブリッジを渡る結合電流の複雑な振舞いを薄板近似を用いて考えた。②磁場の時間安定性の評価の高精度化のために,電流-電圧特性としてパーコレーションモデルを適用し,従来のべき乗則(n値モデル)とは異なる振る舞いをすることを示した。③REBCOコイルの巻線時の張力,冷却時の熱応力,励磁時の遮蔽電流を考慮した電磁力により,REBCO線材が受ける応力・ひずみを数値解析によって評価した。
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