• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実施状況報告書

JT-60SA用CSにおける熱的安定性評価

研究課題

研究課題/領域番号 16K06237
研究機関上智大学

研究代表者

中村 一也  上智大学, 理工学部, 准教授 (00407339)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード超伝導コイル / 安定性 / 核融合炉 / 共振現象
研究実績の概要

JT-60SA用超伝導コイルは実証試験の段階まで進んでいる。日本が担当しているCSモジュールの設計概念はITERのCSモジュールと同一であるため,非常に重要な位置づけとなっている。JT-60SA計画で使用される超伝導導体により作製された超伝導コイル及びコイル間接続部を用いて,種々の条件にて性能を評価する。それらのデータをもとに超伝導コイルの損失及び安定性を確認し,併せて理論的な解析を実施して試験結果との比較検討を行うことを目的とした。平成28年度に研究実績の概要を以下に示す。
(1)CSモジュールにおける共振特性評価(試験・解析):超伝導コイルを安定的に運転するには、温度の安定性(交流損失)に加え運転時の耐電圧評価も重要としている。JT-60SA CSの共振特性に着目し,CSのターン間及び層間の共振特性と導体間の耐電圧を評価した。CSモデルコイルを用い,共振特性試験を行った結果をもとに解析モデルを作成し,CSモジュール(12層まで)のターン間及び層間の共振特性と導体間電圧の関係性を評価した。CSモジュールの電源での主要な周波数領域では導体間の絶縁の耐電圧を超えることはないことが示された。
(2)CSモジュールの冷却安定性評価:大型コイルでは冷却の効率化を図るために,冷媒供給量の最適化と熱負荷変動の吸収方法を検討しなくてはならない。CSモジュールの熱負荷変動を考慮して冷却系統をモデル化し最適な冷媒供給を調査した。平成28年度は冷却系統モデルを作成するソフトを購入し,モデル作成を行った。
(3)CSモジュール試験:量子科学研究開発機構で作製されたCSモジュールを核融合科学研究所にて励磁試験及び全体に生じる交流損失測定を行った。交流損失解析モデルの作成に用いる基礎データを取得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度に計画していた(1)CSモジュールにおける共振特性評価(2)CSモジュールの冷却安定性評価は遂行することができた。また平成29年度に予定していたCSモジュール試験も平成28年度に実施することができたため,おおむね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

今後は,平成28年度に取得したCSモジュールにおける共振特性評価(試験・解析)及びCSモジュール試験結果(励磁試験・交流損失測定)をもとに,解析モデル(CSモジュールの詳細な共振特性評価・交流損失)を作成する。超伝導導体部及び導体間接続部のモデル化を行うことで、超伝導コイル内の電磁現象を詳細に解析し、絶縁破壊及び交流損失の発生メカニズムを検証する予定である。また,上記の熱負荷をもとにCSモジュールの熱負荷変動を考慮した冷却系統をモデル化し最適な冷媒供給を平成29年度後半以降に調査する。

次年度使用額が生じた理由

当初購入予定としていた解析ソフトを同等の機能を有する別の解析ソフトに変更したところ,予定金額よりも安く購入することができたため。

次年度使用額の使用計画

次年度に必要になる消耗品購入に充てる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Influence of Resonance Phenomenon on Voltage Distribution in Central Solenoid of JT-60SA2017

    • 著者名/発表者名
      K. Nakamura, K. Suzuki, S. Fujiyama, K. Nasu, T. Takao, H. Murakami, K. Natsume K. Yoshida and Y. Koide
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Applied Superconductivity

      巻: 27 ページ: 4200404

    • DOI

      10.1109/TASC.2016.2628916

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] JT-60SA中心ソレノイドにおける共振現象の電圧分布への影響2017

    • 著者名/発表者名
      那須京介, 中村一也, 鈴木一輝, 藤山 奨. 村上陽之, 夏目恭平, 木津 要
    • 学会等名
      電気学会 全国大会
    • 発表場所
      富山大学五福キャンパス(富山県・富山市)
    • 年月日
      2017-03-15 – 2017-03-17
  • [学会発表] JT-60SA中心ソレノイドにおける共振特性及び電圧の不均一性について2017

    • 著者名/発表者名
      鈴木一輝, 藤山 奨, 那須京介, 中村一也, 高尾智明, 村上陽之, 夏目恭平, 木津 要
    • 学会等名
      電気学会 超電導機器研究会
    • 発表場所
      新潟大学駅南キャンパス(新潟県・新潟市)
    • 年月日
      2017-01-19 – 2017-01-20
  • [学会発表] Influence of Power Supply Fluctuation and Resonance Phenomenon on Voltage Distribution for Central Solenoid in JT-60SA2016

    • 著者名/発表者名
      K. Nakamura, K. Suzuki, S. Fujiyama, Y. Yamamoto, T. Takao, H. Murakami, K. Natsume, K. Yoshida, and Y. Koide
    • 学会等名
      2016 Applied Superconductivity Conference
    • 発表場所
      Colorado Convention Center (USA)
    • 年月日
      2016-09-04 – 2016-09-09
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi