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2018 年度 実績報告書

次世代高電圧直流送電を可能にする液中アークプラズマを用いた新しい遮断器の基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K06243
研究機関東京工科大学

研究代表者

新海 健  東京工科大学, 工学部, 教授 (00758295)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード液中アーク / 直流遮断 / アーク抵抗 / 導電率 / 圧力上昇
研究実績の概要

昨年度までに、アーク近傍を安定化チューブで取り囲むことにより、35MPa以上の過渡的な圧力上昇が得られアーク抵抗も1Ω以上となることが明らかになった。最終年度はこれまでのデータを基に限流ユニットを製作した。
1.35MPaに耐えられる限流ユニット用の密閉圧力容器を製作した。密閉化でトリガワイヤによるアーク点弧が難しいため、空気シリンダを用いた電極駆動装置を製作した。製作した限流ユニットと真空遮断器を組み合わせて、遮断器モデルを構成した。
2.遮断実験実施にあたり、電極開極まで通電・放電時間を従来より長くとる必要があるため、20kV180μFコンデンサバンクに加え、850V4.7μFのコンデンサバンクを併用する合成電流試験装置を開発した。また、遮断直後の電圧回復を検証するため電圧印加用の80kV直流電圧発生装置を製作した。
3.遮断実験の結果、アーク抵抗は瞬間的には5Ω程度まで上昇し、限流して遮断することができた。ただし遮断点において電源のコンデンサバンク電圧は4kV程度まで減衰しており、電源容量が十分でないために容易に遮断できた可能性もあった。実験によって得られたアーク特性をモデル化し遮断数値シミュレーションを実施した。10kV送電系統で限流遮断成功するためには、実験で得られたアーク抵抗2倍程度とし、開極速度も高速化する必要があることが明らかになった。
4.2倍のアーク抵抗は、限流ユニットを2個直列に構成することで実現できる。開極高速化のために、電磁反発力を用いたアクチュエータ適用を検討し机上設計を行った。その結果、3.6kV3300μFのコンデンサのパルス電流で初期速度2m/s、変位量50mm程度が得られる見込みとなった。
研究期間全体を通じて、密閉容器の液体中アークの高いアーク抵抗を活用した限流コンポーネントの、高電圧直流送電の主回路遮断器への適用可能性を確立することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Current Limiting with Liquid arc for HVDC-CB2019

    • 著者名/発表者名
      Takeshi Shinkai. Tomoya Fujita, Taisei Muto, Takumi Yokoyama, Minoru Hara
    • 学会等名
      10th International Conference on Power, Energy and Electrical Engineering (CPEEE 2020)
    • 国際学会
  • [学会発表] 短絡電流による電磁反発を用いた高速駆動機構の基礎研究2019

    • 著者名/発表者名
      横山拓海、新海健
    • 学会等名
      電気学会 全国大会
  • [学会発表] 直流液中アークの限流特性2018

    • 著者名/発表者名
      武藤泰瀬、武藤涼、中島慎二、新海健、原実、高木茂行、腰塚正
    • 学会等名
      電気学会 電力・エネルギー部門大会

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公開日: 2019-12-27  

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