本年度は、送電側の高周波励磁回路の改良のためのSiC-MOSFETとGaN-MOSFETの導入、コイル形状から回路パラメータ及び回路計算までを行うプログラムのコイル形状の拡張を行った。 昨年度、送電側の高周波励磁回路は、E級アンプの基本設計をもとに、ワイヤレス電力伝送のインピーダンスを反映させた設計を行った。その際使用したSi-MOSFETからより効率改善を目的にSiC-MOSFETとGaN-MOSFETの評価を基礎特性の実験とE級アンプの回路シミュレーションにより行った。本研究で想定している約300kHzの励磁周波数において、SiC-MOSFETとGaN-MOSFETはSi-MOSFETよりも数%程度高効率となる結果となり、1 MHzあたりを超えるとその差は顕著になり、SiC-MOSFETとGaN-MOSFETの優位性が明らかになった。 昨年度まで、コイル形状から電力、効率等の回路計算をひとつのプログラムで、回路パラメータから回路計算までを行うプログラムを完成させ、コイル設計と評価をまとめて行うことができるようになった。ただし、円形コイルを基本としていたことから、ミアンダコイルへの適応を一例として、コイル形状の拡張を行い、実験による検証からも計算結果の妥当性を確認した。現時点では、表皮効果と近接効果を考慮した交流抵抗の算出の実装まで実施できていないが、本プログラムに実装し、より実測に近いモデルの計算プログラムにする予定である。
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