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2016 年度 実施状況報告書

アンモニア分解率向上による高In組成InGaN結晶の高品質化のための反応炉設計

研究課題

研究課題/領域番号 16K06260
研究機関名古屋大学

研究代表者

新田 州吾  名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 特任准教授 (80774679)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードMOVPE/MOCVD / InGaN / NH3/アンモニア / 分解 / V/III比
研究実績の概要

本年度は主に基板トレイの空間を広くすることにより、同基板表面温度におけるウエハ周囲温度を高くする検討を行った。そのために基板と基板トレイのギャップが150um、500um、1000um、1500um、2000umの基板トレイを作製した。サファイア基板/GaNテンプレート上に5周期のInGaN/GaN量子井戸層を同条件で成長したところ、ギャップが大きいほどIn組成が増加しフォトルミネッセンス(PL)ピーク波長が長くなった。このことから基板トレイギャップ拡大による基板表面温度低下が狙い通りできていることが確認できた。
次に各ギャップのトレイにおいてPLピーク波長が450nm付近となるように量子井戸成長温度を調整した。広いギャップのトレイほど高い設定温度となる。これら異なる設定温度で成長した試料のPL強度は、より広いギャップ、すなわちより高温で成長した試料ほど強い発光強度となる傾向示し、最大で標準ギャップ150umに対して20%程度強度が増加した。続いてInGaN井戸層の成長温度下げて下げて500nmまでの長波長化検討を行った。波長が長い領域においてはPL強度の増加率が大きくなり、500nm付近では標準比40%の増加が確認できた。これらの試料についてX線回折による構造評価を行ったところ、広いギャップの試料では標準に対して若干の膜厚ないしIn組成増加がみられた。このことから同波長帯試料におけるPL強度の増加はIn取込の増加による実効的な発光体積の増加が寄与していると推察される。
これらの結果から、InGaN/GaN量子井戸を成長する際に基板温度に対する周囲の温度を高くすることにより、NH3の分解効率が向上し、実効的なV/III比が増大してIn取込の安定化に伴う平均組成の増大、組成揺らぎの低減、InGaN結晶品質の改善が狙い通り出来ていると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度実施予定であった、基板トレイギャップ検討を行い、推定通りの効果を確認できた。

今後の研究の推進方策

H29年度は計画通りより長波長における基板トレイギャップの効果の確認と機構解明、成長条件の最適化、リアクタ設計の最適化を進める。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] In-line NH3 Reactant Analysis on Nitride Semiconductor Metalorganic Vapor Phase Epitaxy via High-Resolution Mass Spectrometry2016

    • 著者名/発表者名
      S. Nitta, K. Nagamatsu, R. Miyagoshi, Z. Ye, H. Nagao, S. Miki, H. Y. Honda and H. Amano
    • 学会等名
      International Workshop on Nitride Semiconductors (IWN 2016)
    • 発表場所
      Orlando, Florida
    • 年月日
      2016-10-02 – 2016-10-07
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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