近接場光学顕微分光法を用いて、c面サファイア基板上に作製されたInGaN量子井戸(QW)構造において、貫通転位を起点とした表面ピットに形成される局所的な高エネルギー発光の空間分布を評価した。低温測定により青・緑色QWにおいて暗領域と高エネルギー発光位置に相関が見られることを明らかにし、欠陥位置にエネルギー障壁(高さ200~300 meV)が自己形成されることを直接的に観察した。派生的にカソードルミネッセンス法によりAlGaN QW構造における貫通転位近傍においても局所的高エネルギー発光を観察した。この場合表面ピットは観察されておらず、InGaN系とは異なるメカニズムによる可能性を示した。
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