金、銅、白金をコートした金、の半球がヘアピン状のタングステンワイヤー支持体の先端に溶着された、非破壊電気接触プローブを作製した。また、このプローブの量産化に向けて、一度に10個以上のプローブが作製できるように、多数の電流導入端子が114コンフラットフランジ上に形成されている部品を用いてプローブ作製装置を改造した。 作製したプローブにレーザーリソグラフィーを施して、規程した面積以外の部分のプローブに試料が接触しても電気的に接触しない構造を作製した。面積の規定として、100μmφ、70μmφ、30μmφ、の3種類のサイズを作製した。リソグラフィーによる面積制御の可否を光学顕微鏡により観察した。 プローブ作製時の金、銅の仕込み量の制御により、タングステンワイヤー支持体の先端に溶着形成される半球のサイズの均一性が向上した。この半球サイズの均一性の向上により、リソグラフィー後の電気的接触面積の制御の制度が向上することが判明した。 抵抗変化メモリの材料候補であるNiO薄膜がPt基板上に製膜された試料を用いて、リソグラフィーにより電気的接触面積を制限したPtコートプローブを用いて、印加電圧‐電流特性を測定した。その結果、電気的接触面積を制限したPtコートプローブを用いると、NiO薄膜の粒界(表面が凹んでいる、電気的に常に半導体で、抵抗変化メモリ機能を持たない)に接触することなく、抵抗変化メモリ特性が測定できることが判明した。同じ接触面積でも、蒸着により電気的接触を得た場合には、NiO薄膜の粒界に電極が接触し、回路がショートして抵抗変化メモリ特性が測定できない。
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