研究課題/領域番号 |
16K06286
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
西島 元 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, 主幹研究員 (30333884)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | NMR / 強磁場 / 高温超伝導 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,超強磁場NMR超伝導磁石設計のためのデータ蓄積のために,高温超伝導線材の臨界電流の磁場印加角度依存性を低温・強磁場中で測定評価する装置を開発することである。一般的な回転プローブでは垂直ボアを有するソレノイド磁石中に試料を水平方向に設置し,回転軸が水平方向であるが、ソレノイド磁石は入手しやすいという利点がある一方、空間的な制約から,回転機構が複雑になり,電流端子間および電圧端子間距離が短くなるという欠点がある。本研究では、スプリット型(磁場方向が水平方向)磁石中でプローブ(垂直方向)全体を回転させる。この場合、試料は垂直方向に設置され、空間的制約が緩和される。回転機構は温度可変インサート(VTI)内ヘリウムガスのリークが無いように真空対応の回転ステージとし,5相ス テッピングモータにより角度制御可能とする。平成30年度は測定技術開発と並行してプローブの製作を行う予定であったが、平成29年度に発生したVTIの真空断熱槽おけるヘリウム極微量漏れに起因する真空劣化が復旧せず、平成30年度も修理作業を複数回行い、真空劣化修理に時間を取られたため、計画が遅れた。そこで、並行して、測定プログラムの開発を進め、超伝導磁石運転、プローブ回転、試料線材への電流供給をPC制御するプログラムを製作した。真空劣化については対策が完了し、試運転によって温度可変運転も可能であることを確認するとともに、温度サイクルにも問題ないことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
スプリット型磁石中でプローブ全体を回転させるプローブについては設計はほぼ完了しており、細かな部品調達、組み立ての段階である。しかし、平成29年度にVTIの真空断熱槽においてヘリウム極微量漏れに起因する真空劣化が発生し、修理作業を数回行ったものの復旧せず、平成30年度も引き続き真空劣化修理に時間を取られたこと、同時に参画しているNEDO事業およびJST事業の実施に時間を取られ、結果として遅れてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
真空劣化については解決の目処がたったため、補助を延長して頂いた平成31年度(令和元年度)にプローブ組み立て、試運転を行って装置を完成させる。液体ヘリウムの不足や価格高騰が懸念されるが、可能な限り自己資金で賄う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成29年度にVTIの真空断熱槽においてヘリウム極微量漏れに起因する真空劣化が発生し、修理作業を数回行ったものの復旧せず、平成30年度も引き続き真空劣化修理に時間を取られたこと、同時に参画しているNEDO事業およびJST事業の実施に時間を取られ、プローブの製作が遅れたために予算執行も遅れた。
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