研究課題
本研究では、転写プリント法を活用した量子ドット単一光子源の光集積回路上へのハイブリッド集積に取り組んできた。昨年度までに、ファウンドリで作製したシリコンチップ上への光源のハイブリッド集積の実現に成功している。今年度は、シリコンチップ上での光源波長制御技術の実現など、より一層の発展を成し遂げることができた。以下にその詳細を記す。(1)オンチップ波長制御技術: 光源波長を精密に制御するための光駆動ヒーターを積載した単一光子源をシリコンチップ上に集積した。光吸収パッドからなるヒーターは、転写プリント法を使い光源の上に装荷した。低温光学実験により、ヒーター加熱に伴い量子ドット波長を1nm以上シフト可能であることを確認した。さらには、二つの光源を近接して一つの回路に集積し、発光波長を独立制御することで、二つの光源の波長を一致させることに成功した。(2)一方向出射技術: シリコン光回路中にフォトニック結晶ミラーを配置することで、導波路に結合した量子ドット発光が一方向のみに伝搬する構造を設計した。実際に、導波路を電子線リソグラフィーを用いて作製し光源を転写することで、その動作を実験的に確認した。結果、量子ドット―導波路間を高効率に結合しつつ一方向へ単一光子を出射することに成功した。(3)単一プラズモン光源: 平坦化された銀表面に、量子ドットを含むマイクロリング共振器を転写集積することで、量子プラズモニック光源の実現を図った。電磁界計算から、高次プラズモニック横モード使うことで、量子ドットから効率的にプラズモン生成できることを見出した。低温光学実験により、量子ドットからの単一プラズモン生成を確認することができた。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 8件、 招待講演 7件)
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