研究課題
基盤研究(C)
スマートフォンに完全内蔵できる地上波デジタルTV放送受信アンテナを開発した。このアンテナの特徴は、構造的に低背化が可能な逆L型を基本構造として採用し、アンテナエレメント部は、誘電体基板上にライン状の導体エレメントをパターニング形成し、その上にフェライト磁性板を張り付けた構造とし、基板の接地面にはスリットを2本入れたことにある。波長短縮効果と、接地面の電流経路の延長、複共振による帯域幅の拡大によって、実用的性能を持つアンテナを設計・試作できた。
電子機器
厳しい寸法制約が課せられた条件の下で、高い放射効率、高アンテナ利得、広い帯域幅を同時に満足するアンテナを実現することは難易度が高い課題だが、スマートフォンなどの携帯無線端末が急速に普及する状況の中で要望は大きい。本研究は、UHF帯で磁気損失が少ないフェライト材料を活用するメリットを実証したこと、複共振を活用することによる広い帯域幅の実現を示したことに学術的意義があるとともに、無線通信関係の産業界に与える波及効果が期待される。