今までに試作・開発しているシングルチップ(チップサイズ:10mm×2.5mm)ステレオ視方式三次元センサーLSIに対するステレオ視専用光学装置を新たに設計・試作した。検知距離(範囲)を調整可能にするための画像シフト機構として透明板の傾きを安定的にネジで微調整できるように改良した。また、焦点距離が長い光学レンズを新たに導入して、検知画素ピッチ当りの撮像サイズを大きくすることで検知距離を更に長くした。これらの工夫・改良により、イメージセンサー間隔が8mmであるシングルチップ三次元距離センサーLSI単体でも10m程度の距離検知が可能であることを確認した(従来のシングルチップ三次元センサーLSiでの検知距離は3m程度であった)。 また、試作した光学装置の検知距離調整機能により、より少ない相関信号を用いてそのレベルの比較によって検知距離の補完が可能なことを確認した(従来は、最大の相関信号を検知した相関アドレスで離散的距離を検知しており距離補完はできなかった)。それにより5~8視差程度の相関検知で十分であることが分かり、結果、より少ない相関回路(従来の10分の1以下)を設けるだけで十分であり、今後のステレオ方式三次元センサーの更なる高集積化が期待できる。 距離検知信号のS/N性能に関しては未だ不十分であったが、ソフトウエアによる後処理等で経過時間平均化するなどの工夫によってある程度改善できる見込。
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