研究課題
研究開始当初はハイブリッドカイトにハイブリッドカメラを搭載して遭難者を探索する独創的な研究であったが、ここ数年間のドローンの急速な性能向上により様々な状況での空撮実験が可能になった。初年度(平成28年度)に試験的に行った山菜取り遭難者の捜索では、ドローンから遭難者が気づきやすい救助音を送信して遭難者がタオルを振ることで、実用的に遭難者の探索が可能であることを明らかにした。平成29年度には、山頂付近まで高性能なドローンを飛行させて空撮することに成功して、ドローンの墜落を許容するのであれば地上風が5m/s程度以下であれば150mまでの高度までは、ハイブリッドカイトを使用しなくてもドローンが実用的であることを明らかにした。さらに、平成30年度までにハイブリッドカイトの技術を用いた高層構造物の理論計算と試作に成功し、遭難者探索のプラットフォームになりえることを明らかにした。また、遭難者の発見率向上と捜索隊の法的責任の問題を回避するため、SNSで考察全球パノラマ写真を公開して世界中の一般の人が捜索活動に参加するシステムの提案を行った。山岳連盟、山岳会、警察の救助隊、消防のレスキューのそれぞれの立場の人から、現場で直面している本当の話を聞くことが出来たことも、本研究の大きな成果であると言える。これらの人からの忌憚のない意見は、科研費(国費)で行っている研究であることから得られたと考えられる。最終年度となった平成30年度には、本研究の実績として日本航空宇宙学会英文論文(査読付き、オンジャーナル)が掲載された。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (9件)
TRANSACTIONS OF THE JAPAN SOCIETY FOR AERONAUTICAL AND SPACE SCIENCES, AEROSPACE TECHNOLOGY JAPAN
巻: 7 ページ: 657-661
https://doi.org/10.2322/tastj.16.657