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2018 年度 実施状況報告書

メモリスタによる高効率な高調波発生とそのミリ波回路への応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K06315
研究機関上智大学

研究代表者

林 等  上智大学, 理工学部, 教授 (70634963)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードメモリスタ / 電子デバイス・機器
研究実績の概要

無線通信回路の局部発振部を構成する周波数逓倍器に用いられている電界効果トランジスタ(Field Effect Transistor)は高い入力電力を必要とし、消費電力も大きくなる。
我々は、DVD や相変化メモリに用いられているGe-Sb-Te系のメモリスタ(Memristor)を用い、バイアスをかけない無給電で高調波を出力し動作するシンプルな逓倍器の作製を目指している。
昨年度までにSiO2/Si基板上にGe-Te系とGe-Sb-Te系のメモリスタを形成し、G-S-G配列の高周波プローブを用いてRF波の通過特性の測定を行い、高調波発生による逓倍動作を実証してきた。
今年度は本逓倍素子の増幅回路への実装に挑戦した。逓倍素子の増幅回路への実装により、逓倍特性として同じ素子ではより高次までの高調波が発生することを確認できた。また、高周波数の出力電力が小さい問題を改善した。
さらに、計画していた以上の新しい高調波発生の発生手法をもたらすものと位置づけることができる新しい知見を得た。具体的には、増幅回路の高調波発生メカニズムとして、トランジスタの歪みによる効果とカルコゲナイド逓倍素子の非線形性の効果の双方があることがわかった。
高調波が発生するメカニズムを解明したことで、今後、さらなる素子の最適化、性能向上を目指すためには、回路の再設計を行う必要がある。また、周波数依存性などについても研究を進めていく必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

逓倍素子の増幅回路への実装により、逓倍特性として同じ素子ではより高次までの高調波が発生することを確認できた。
また、高周波数の出力電力が小さい問題を改善した。
以上により、上記のように判断した。

今後の研究の推進方策

高調波が発生するメカニズムを解明したことで、今後、さらなる素子の最適化、性能向上を目指すためには、回路の再設計を行う必要がある。また、周波数依存性などについても研究を進めていく必要がある。

次年度使用額が生じた理由

縦型狭電極間隔素子を増幅回路へ実装する環境が整ったことから、高周波向けにマイクロストリップ線路あるいはコプレーナ線路を用いた回路設計を適用し、GHz帯での周波数特性や入出力電力特性について、より精緻に追加、再現実験を実施して高周波特性改善効果を確認し、研究目的達成を再確認するために使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Spontaneous room-temperature formation of broccoli-like Ag-GeTe nanostructures assisting filamentary resistive switching2018

    • 著者名/発表者名
      Imanishi Yusuke、Hayashi Hitoshi、Nakaoka Toshihiro
    • 雑誌名

      Journal of Materials Science

      巻: 53 ページ: 12254~12264

    • DOI

      https://doi.org/10.1007/s10853-018-2493-z

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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