研究課題/領域番号 |
16K06319
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
中山 明芳 神奈川大学, 工学部, 教授 (90183524)
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研究分担者 |
阿部 晋 神奈川大学, 工学部, 非常勤講師 (10333147)
穴田 哲夫 神奈川大学, 付置研究所, 名誉教授 (20260987)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 超伝導デバイス / トンネル素子 / 磁界特性 / 超伝導電流変調 / 磁束捕獲 / 捕獲磁束除去 |
研究実績の概要 |
(1)ニオビウム金属を上下の超伝導電極、間にアルミニウム酸化膜を使用してトンネル型超伝導デバイスを作製している。(2)基板としてシリコン基板を使用し、有機溶剤で洗浄後、下部電極としてニオビウム金属直流スパッタリング法で作製している。続いてアルミニウム金属の薄膜を堆積し、1気圧の純酸素中で約30分室温酸化し、数ナノメートルのトンネル酸化膜とした。真空を破らず続けて上部のニオビウム金属を堆積した。(3)溶液中の陽極酸化法により厚い酸化膜を形成して、陽極酸化していない部分をトンネル素子接合部として切り出した。正方形接合の他、長方形、円形、多角形の接合形状を作製することができる。(4)通常アルミニウムを1気圧の純酸素中で約30分室温酸化して、トンネル酸化膜となるアルミニウム酸化膜をえているが、この酸化時間を30分から2日の間で変化させて、酸化膜膜厚を変え、超伝導電流の流れやすさを変化させた。(5)バリア材料としてはアルミニウムの他にニッケル磁性膜を堆積できるスパッタリング装置も立ち上げることに成功した。この新ラインでは、トンネル素子を得るべく現在、素子作製パラメータを変えての素子作製を始めた。(6)作製したアルミニウム酸化膜を使用したトンネル型超伝導デバイスには、垂直に磁界を加えて、超伝導電流の垂直磁界の特性を測定し、ある条件下での超伝導電極への磁束量子捕獲を確認した。さらに、正負に変化する垂直磁界を加えることでの超伝導電流の垂直磁界の特性の変化と、一度捕獲した磁束を除去することを試みている。この方法で数度に一度磁束除去に成功している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ニオビウムとアルミニウム金属のマグネトロンスパッタリング法により良好なトンネル型素子を作製することができるようになった。垂直磁界を加えたときのトンネル型素子への磁束捕獲を、超伝導電流の磁界特性から確認できるようになった。正負に変化する垂直磁界印可による捕獲磁束の除去の初期実験に成功した。
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今後の研究の推進方策 |
マグネトロンスパッタリング法により、より再現性よく、良好なトンネル型素子を作製するパラメータを見いだすこと。さらに垂直磁界を加えたときの超伝導電流の磁界特性の測定データを積み重ねる。また、正負に変化する垂直磁界および交流の垂直磁界による、超伝導電流の磁界特性測定の変化を計測し、磁束捕獲と捕獲磁束除去の特性をより多くの回数測定し、新デバイス提案に結びつくようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度の研究において、当初計画より、電子部品、フォトマスク、薬品、液体ヘリウム等の消耗品等の支払いが少なくおさえられて、繰り越しになることとなった。本年度は研究の最終年度であり、消耗品の使用のみならず、研究成果の発表に伴う旅費や雑誌投稿論文の投稿に伴う出費等に予算をあてる計画である。
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