マイクロ波ミリ波帯における従来の誘電率計測法は、伝送線路あるいは空間内での試料の有無による電気的変化から算出している。本研究ではレーダと金属ターゲットの間に置かれた被測定物の有無によるレーダ画像の遅延変位を応用した新しい誘電率計測法に関する研究である。 一般の壁透過レーダによる画像では、壁の遅延位相による画像の位置ずれを補正するためには壁の等価的な誘電率と厚みが必要である。逆に壁が無いときの画像位置と比較することで、壁の電気緒元を割り出すことができる。本研究により、最適なレーダ画像生成法が考案され、電気諸元が未知の壁があるときの等価的な複素誘電率および厚みを計測する新しい評価法が確立できた。
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