| 研究課題/領域番号 |
16K06333
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| 研究機関 | 茨城大学 |
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研究代表者 |
那賀 明 茨城大学, 工学部, 准教授 (20765854)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 光通信 |
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| 研究実績の概要 |
デジタルコヒーレント光伝送技術のさらなる発展を目指し、偏波を信号空間として捉え、この空間を利用して位相・振幅の信号間ユークリッド距離を拡大する多次元符号化光変調方式技術の高度化に取り組んでいる。
平成２８年度では、近年他研究組織より研究発表されている４次元光変復調方式に加え、波長多重技術を併用して次元を拡大した８次元光変復調方式の計算機シミュレーションプログラムMatlabソフトウェア利用してを独力で作成した。さらに、複数波長信号に同一データで変調した２つの４次元光変調信号を受信して信号品質を高める波長ダイバーシティ方式についても計算機シミュレーションプログラムを作成した。これらのプログラムを利用して、各変復調方式の光信号対雑音比に対する信号特性を評価し、従来方式より信号品質を高めることを実証し、査読付き論文に採用（IEICE ComEx）され、電子情報通信学会ソサイエティ大会でも発表した。また、この研究を通して、多次元変復調方式では不可な非グレイ符号による誤り率低下の定量的な特性を把握し、ビットインターリーブ符号化変調方式の必要性を認識し、プログラムでの原理確認など取り組みを開始している。
また、市販光伝送シミュレータと自作Matlabシミュレーションプログラムの結合について、従来の２次元光変復調方式において動作することを確認し、次年度、市販光伝送シミュレータによる多次元光変調方式の光ファイバ非線形効果の評価を行う環境を整えた。
さらに、光信号特性測定系を構築し、偏波信号特性を測定する環境を整えた。この測定系には、偏波信号特性の観測を可能とし、計算機プログラムの物理的イメージを正しく捉え、計算機プログラムの物理条件を正しく設定することに貢献している。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多次元変復調方式の計算機シミュレーションプログラムを独自に作成し特性評価を行った結果が、読付き論文に採用されたことは、現在の研究が一定の水準に達したことを端的に示しており、順調に進展している。
また、Matlabで作成した計算機シミュレーションプログラムを、市販光伝送シミュレータに組み入れて動作確認を行ったことで、統合シミュレーション系による光ファイバの非線形効果を考慮した伝送特性評価を可能とする環境の整備が整い、当初の研究計画が達成した。
さらに、偏波解析を中心とした測定系も予定通り構築を完了し、計算機プログラムの物理条件を正しく設定することに貢献している。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成２８年度で得た多次元変復調方式の伝送特性において定量的に把握した信号特性、特に非グレイ符号に起因する誤り率低下などの知見を基に、当初はトレリス符号化による符号化変調に取り組む計画であったが、この計画をやや修正し、より効果を見込むことができるビットインターリーブ符号化変調方式の繰り返し符号法の適用に取り組む。ビットインターリーブ符号化変調方式は、軟入力/軟出力機能を持つ復号器と復調器間で、ビット判定結果の信頼性を示す外部情報の交換を繰り返し行うことにより、信号品質を高める手法であり、無線伝送方式で研究されてきた技術である。
また、Matlabで作成した計算機シミュレーションプログラムを市販光伝送シミュレータに組み入た統合シミュレーション系により、多次元変復調方式の信号品質特性の評価を本格的に行う。
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