研究課題
本研究課題では,ヘテロジニアス・セルラネットワーク HetNet(マクロセルに小セルがオーバーレイ配置される複数階層セルラネットワーク)の無線システム構築技術に関して,ユーザ端末の要求通信品質を適切に提供しつつ省電力動作が実現可能なシステム制御手法を,上下両リンク通信を対象にして確立することを目的とした.平成30年度は,平成29年度に引き続いて下リンク通信を対象として,ユーザ端末の要求通信品質保証と省電力動作が可能な基地局動作モード(アクティブ/スリープ)制御およびユーザ端末セル選択制御の各制御手法の研究を進めた.平成30年度においては新たに,キャリアアグリゲーション(CA)技術の適用を考慮した各制御手法について注力した.ここでは,CA通信における各基地局の重要度を,基地局動作モード(アクティブ/スリープ)制御の制御条件に新たに導入した制御方式について研究を進めた.具体的には,当該アプローチに関して机上での理論検討による制御方式の考案を実施し,その後,考案方式の性能を計算機シミュレーションにより評価した.評価結果より,考案方式はCA通信における各基地局の重要度を基地局動作モード制御で考慮しないこれまでの方式に比べ,システム特性が向上することが明らかとなった.研究成果の公表に関しては,平成29年度までの研究成果が国外論文誌に掲載され,また,平成30年度の研究成果は国際学会に投稿済み(現在査読中)である.
すべて 2018 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)
ECTI Transactions on Computer and Information Technology (ECTI-CIT)
巻: vol.12, no.1 ページ: 26-33