研究課題/領域番号 |
16K06357
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
西尾 芳文 徳島大学, 大学院理工学研究部, 教授 (80253227)
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研究分担者 |
上手 洋子 徳島大学, 大学院理工学研究部, 准教授 (80582642)
細川 康輝 四国大学, 経営情報学部, 准教授 (20341266)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | セルラニューラルネットワーク / 複雑ネットワーク / 非線形回路 / カオス |
研究実績の概要 |
本研究では、研究代表者のグループがこれまでに行ってきた複雑系ネットワークの研究成果をセルラニューラルネットワーク(CNN)に組み込むことで、人間の脳での処理に近い高機能な情報処理をリアルタイムで行うことができる新しい複雑ネットワークCNNを開発する。 CNNがもつリアルタイム性とアナログ非線形性の利点を最大限に活かしつつ、複雑系ネットワークの特徴である創発性や時空間変動性を積極的に利用し、また、計算機シミュレーション・回路実験・理論解析により、システム設計・特性調査・アプリケーション開発・回路実装までを行うことで、様々な実問題に適用可能な高度な情報処理システムを実現することを目的としている。 平成28年度に得られた主たる成果は以下の通りである。 1.テンプレート切り替えを行うCNNによる画像処理:本研究では、セルの状態値によって使うテンプレートが切り替わるようなCNNを提案し、そのエッジ抽出への応用について、計算機シミュレーションによる数値実験を行った。 2.異なるトポロジーをもつ複雑系ネットワークのカオス伝搬についての研究:本研究では、カオスを発生する非線形電子回路を結合した複雑ネットワークを作成し、異なるカオス発生個所に対し、カオスがネットワーク全体に伝搬していく様子を調査した。また、複雑ネットワークのトポロジーを変化させたとき、伝搬の特性がどのように変化するのかについても、調査を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年間を経過した段階で、研究目的に記載していた3年分の内容のおおむね3分の1を達成しており、かつ、それらの成果を着実に発表できていることから、おおむね順調に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に沿って、複雑ネットワークCNNの開発を行う。特に、計画を上回る成果を上げるための方策として、関連する研究を行う著名な海外研究者とコンタクトをとり、本研究成果の発展方法についてのディスカッションを行うことを計画している。一方、研究目的を達成する上での問題点については、現時点では特に見当たらない。
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次年度使用額が生じた理由 |
多層構造をもつCNNの設計が予想を上回る広がりを見せたため、高次元セルをもつCNNの設計にかける予定であった時間を割いて、多層構造CNNの調査・研究を行った。その結果、高次元セルをもつCNNの設計にかける予定であった経費の支出が少なくなった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成29年度は、多層構造をもつCNNの設計にかける時間を削減し、高次元セルをもつCNNの設計にかける時間を増やす計画である。高次元セルをもつCNNの設計に必要なパーソナルコンピュータや回路実験部品などの物品費、また、調査や資料収集のための旅費として、さらに、多層構造をもつCNNの設計に関する研究成果投稿料として、使用する計画である。
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