1.最終年度に実施した研究の成果 1-1.可視光CDMA通信:2018年度の研究結果により、6つの互いに直交する負相関スペクトル拡散符号が生成できることを示し、これらが可視光CDMA通信に有効であることを明らかにした。2019年度は、6つの直交負相関符号とアダマール行列を利用して、7つ以上の互いに直交する負相関スペクトル拡散符号の構成法を与え、シミュレーションにより、その有効性を明らかにした。 1-2.超音波測位用スペクトル拡散符号:優れた非周期自己相関特性をもつBarker系列は、系列長2~13が存在するが、これらと非線形フィードバックシフトレジスタ(NFSR)から生成される最大周期系列を組み合わせた連接符号を構成し、その非周期自己相関特性を調べた。また、NFSR系列については、強い負の相関をもつものについても検討した。その結果、Barker系列の特徴やNFSR系列の負相関性を活かした、鋭い自己相関のピークをもつ系列が得られることが明らかになった。 2.研究期間全体を通じて実施した研究の成果 可視光CDMA通信用スペクトル拡散符号については、NFSRに基づいて、非同期CDMA通信で有効な負の自己相関をもつ多数の符号が生成可能であることを明らかにした。また、それらの負相関符号の中で、互いに直交する符号のセットが構成可能であること、およびその有効性を明らかにした。超音波測位用スペクトル拡散符号については、NFSR系列とBarker系列を組み合わせて様々な連接符号を構成し、その非周期自己相関特性を調べ、測位用符号としての有効性を明らかにした。
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