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2016 年度 実施状況報告書

航空需要に対応する海上設置型ローカライザの設置条件関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16K06364
研究機関青森大学

研究代表者

中田 和一  青森大学, 薬学部, 教授 (00244898)

研究分担者 田嶋 裕久  国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 電子航法研究所, 研究員 (10392763)
本田 純一  国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 電子航法研究所, 研究員 (10643348)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードローカライザシステム / 物理光学法 / モーメント法 / スケールモデル
研究実績の概要

国内空港のローカライザ用アンテナであるLPDA(対数周期アンテナ)を素子アンテナとしたX帯(9.6GHz)アンテナアレイのスケールモデルの試作を行い、海上設置を模擬した実験システムの動作確認を行う計画であったが、電磁界解析ソフトウエア資産を保管するデータベースサーバ故障に伴う改修のため、実験環境構築の作業を次年度に延期することとした。そこで、海上設置型ローカライザの中心課題となる、防潮堤の影響、海面の影響、駐機する大型機などの影響について解析する電磁界解析手法の選択について、国内外の現状調査と具体的な解析精度を比較する作業を行った。
国内のILS(高度計器着陸システム)における従来の研究では、幾何光学法( GTD、UTD )、物理光学法(PO)、モーメント法(MoM)を問題事例ごとに使い分けて対応して来たが、欧米では大型構造物の散乱波解析に、PO法とMoM法の併用し、さらに構造物を3D(3次元)モデルで扱うことが主流になりつつあること、さらにエアバス社(仏)のように高度な計算が可能な、独自開発の汎用ソフトウエアを海外向けに積極的に販売している事実もあり、欧米の技術を追随している日本の現状が明確となった。
日本への導入が予定されている大型航空機(A380)が駐機した場合の、進入コース上のDDM特性への影響について、垂直尾翼をモデル化し、成田空港のクリティカルエリアを物理光学法に基づき解析した結果、エアバス社の報告書(POで解析)と概ね一致する結果が得られ、解析精度は同等の水準にあることが確認できた。今後、MoM法と併用する技術や、大型構造物を3Dで扱う技術を確立し、防潮堤と海面反射を含む解析技術へ拡張することを、構築するスケールモデルによる実験結果と比較を行いながら進める予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ローカライザーからの放射界の計算、構造物のよる散乱界の計算には、幾何光学法(GTD,UTD)、モーメント法(MoM)、物理光学法(PO)に基づく汎用プログラムを開発・蓄積してきた。これらのソフトウエア資産を保管するデータベースサーバに障害が発生し、消失したプログラムの再構築を含むシステム改修に時間を費やした。計画では、海上設置型のモデルアンテナ(X帯)の試作を完了させる予定であったが、具体的な羽田国際空港A滑走路周辺環境の調査や、海面や防潮堤の影響の解析手法に関する海外の報告事例の検討、解析精度の検証等を行ったが、具体的なスケールモデルの設計と構築に至らず、進捗が遅れている状況である。

今後の研究の推進方策

今年度の前半期中に、X帯スケールモデル実験系(ローカライザアレイアンテナモデルおよび進入コース上のDDM測定を可能とする移動架台等)の構築を終了し、後半期に実験システムの性能評価ならびに、防潮堤による航空機進入コースへの影響を検討するモデル実験を、電子航法研究所の大型電波暗室内で実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

過去の研究過程で独自に開発し、蓄積してきた汎用プログラムを含むソフトウエア資産を保管するデータベースサーバに障害事故が発生した。一部消失したプログラムの再構築作業を含めてシステム改修のために多くの時間を費やした。そのため、本年度の計画に沿って、実験用のローカライザスケールモデルシステムを構築する作業が遅延することになった。今年度は、今後の研究に係る海外の研究動向の調査と、これまえでの資産プログラムを利用した解析による海外報告事例との解析精度の比較と考察を中心に研究を進めたが、実験用スケールモデルの製作に必要となる部材購入予算は、次年度に持ち越す変更が生じた。

次年度使用額の使用計画

延期されたローカライザシステムのX帯スケールモデルの構築作業に向け、アンテナ系試作材料、模擬海面・模擬防潮堤などの試作材料購入、測定系システム(移動型2次元アンテナ移動架台)の試作部材の購入費に使用する予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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