研究課題/領域番号 |
16K06375
|
研究機関 | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基 |
研究代表者 |
山嵜 彰一郎 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基, 能力開発院, 教授 (60648963)
|
研究分担者 |
松嶋 智子 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基, 能力開発院, 教授 (30648902)
宮崎 真一郎 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基, 能力開発院, 助教 (40648937)
大村 光徳 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基, 能力開発院, 助教 (40725719)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 情報セキュリティ / 秘密分散 / 物理層のセキュリティ / 無線パケット通信 / リードソロモン符号 |
研究実績の概要 |
符号化を用いた秘密分散方式と無線通信の物理層のセキュリティ方式の従来研究を詳細に調査,解析し,それらを応用した無線通信システムの情報保護の強化方式を開発することを研究目的としている.当年度は主として従来研究の調査と基本的な提案に関して,以下の3項目の研究を進めた. (1) 情報をシェアと呼ばれるn個の分散情報に分割し,そのうち,k個以上のシェアを取得する場合のみ,情報の再生が可能とすることにより,情報管理の信頼性と安全性を高める(k, n)しきい値法の秘密分散方式の従来研究を詳細に調査した.前記の秘密分散方式は数式演算に基づくものであるが,透明なシートに画像として描かれたシェアを重ね合わせることにより情報が復元される人間の視覚機能を利用した視覚復号型秘密分散の従来研究を詳細に調査した. (2) 基地局と端末間の無線通信において,干渉を制御するための符号化を実施した複数アンテナ送受信により,目標端末では情報再生を可能とし,盗聴端末では干渉が情報漏えいを抑制する物理層セキュリティ方式の従来研究を詳細に調査した. (3) 以上述べた従来研究の調査をふまえて,組織リードソロモン符号および非組織リードソロモン符号に基づく(k,n)しきい値法の秘密分散方式と,伝送行列の分解を伴うベクトルコーディングに基づく物理層のセキュリティ方式を適用した無線パケット伝送の情報保護方式を提案し,特性の基本検討を実施した.その方式を``Wireless Packet Communications Protected by Secret Sharing and Vector Coding’’の題目で電子情報通信学会の英文論文誌に投稿し,条件付再録の状況になっている.さらに,視覚復号型秘密分散方式において,劣化したシェアからの情報再生品質を改善する方式を提案した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
従来研究の調査をもとに基本的な提案を実施し,論文投稿がなされたこと.
|
今後の研究の推進方策 |
平成29年度は,平成28年度の提案方式に関して,特性の解析式を導出するとともに,計算機シミュレーションシステムを開発する.そして,送受信アンテナの数,マルチパスの数,基地局と目標端末間の伝送路係数と基地局と盗聴端末間の伝送路係数の相関,リードソロモン符号のパラメータなどと,情報保護の性能の関係を,定量的に明らかにする. 平成30年度は,平成29年度の評価結果をもとに,情報保護の性能の改善方式を検討するとともに,秘密分散に用いているリードソロモン符号を,劣悪伝送環境における誤り制御に共用する方式を開発し,計算機シミュレーションシステムに組み込み,特性を定量的に明らかにする.さらに,実現の規模の削減を考慮したシステム開発を行う.
|
次年度使用額が生じた理由 |
主として,従来研究の調査と,基本的な方式提案に注力したため,特性の数値解析,シミュレーションによる特性評価に使用するための計算機を購入しなかったこと.
|
次年度使用額の使用計画 |
数値解析,計算機シミュレーション評価を実行する計算機の購入に使用する.
|