超音波を含む音波の観測方法として従来から,物理的なセンサを音場に直接挿入して行う方法がある.本研究では,光を用いて音の場に影響を与えずに音場を観測するストロボ光弾性法のディジタル化を行うと共に鋭敏色法とセナルモン法導入による新しい定量計測法とそのシステムの構築を行った.医用や非破壊検査に用いるMHz帯超音波を対象とし,特に固体内での外部から或いは内部応力による光弾性現象に起因する複屈折による偏光現象から静的なひずみ量の計測と,動的応力である音波の両者を光弾性法によって同時に可視化を行いこれまでにない定量的なデータが得られる画像データが得られた.構築したディジタル化システムを用いて光弾性現象のデータの取得し音波伝搬の可視化と同時に固体の弾性特性とその異方性,残留応力分布などの諸量の計測行い,材料や非破壊検査分野での新たな方法の一つなるものと考えられる.研究計画にはなかったが,この方法を応用して光学的に微小領域の非破壊的な検査法を開発し,光を通さない不透明な物質に対しても,血管犬種などの定量的な情報を得ることができた. 本研究で研究期間中に出された論文(査読あり)は, 10編となり,さらに4編が印刷中で計14編の論文の成果を上げることができた.また,学会発表が22件,国際会議8件,解説(依頼:いずれも日本工業出版 超音波テクノ)10編と活発な活動を行うことができた.さらにこの間,学会発表で発表賞5件あり研究内容の外部の評価も高かった.
|