[1] 位相歪み画像の画像再生問題 圧縮センシングをMRの位相画像に適用する場合に,複素変換であるeFREBAS変換を使用し,観測行列とのインコヒーレント性を高めるために複数の展開スケールを使用する方法を提案した.実験の結果,振幅と位相を逐次的に最適化する方法と比べて振幅と位相を高速かつ高い精度で求めることができ,再生像のPSNRにおいて優位性が示された. [2] 位相拡散フーリエ法の圧縮センシング応用 位相拡散フーリエ変換映像法を使用し,等間隔間引きを基本として収集された信号から画像再生を行う方法について検討を行った.その結果,再生像の信号対雑音比はフーリエ変換映像法に圧縮センシングを応用する場合よりも高い値が得られ,位相拡散フーリエ変換映像法を使用しランダム収集を行った場合と同等の値が得られた. [3] GPU 利用による再構成の高速化 三次元MR撮像の圧縮センシングを想定し,GPUの利用による再構成処理の高速化について検討を行った.その結果,GPUの利用により,CPUを用いた計算では807秒を要した再構成処理を53秒に短縮することができた. [4] 臨床MRI 応用を使用した再構成実験による画質の検証 臨床で得られた複雑な空間的位相変化を持つMR像に対し圧縮センシング再構成実験を行った.再構成法に交互方向定数法を利用すると再構成に伴う誤差を軽減でき,再生像のPSNRは反復的閾値法より高い値となることが示された.また,研究室で提案する複素変換であるeFREBASをスパース化関数として使用し,かつ,マルチスケール化することによって再構成誤差を大きく軽減することができ,PSNRを大きく改善することができた. [最終年度の成果] 画像再構成を高速化する手法として深層学習を利用した.基礎的な検討の結果,短時間で良質な画像を再構成できることを確認した.
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