本課題では,オーステナイト系ステンレス鋼表面に生成した表面改質層センサを用いて,マルテンサイト相の発生しにくい温度域でも使える疲労劣化センシングシステムの開発を行った.設計可能な表面改質層センサを開発するため,ショットピーニングを用いた生成方法を検討し,設計条件を明らかにした.さらに,疲労試験を行い,疲労センサとして使用可能なことを確かめた.また,加熱装置付き疲労試験機を開発し,マルテンサイト相発生量が減少する温度で試験した結果,同じ繰り返し数ならば室温付近と同程度の出力が得られることがわかった.さらに,より精密な表面改質層センサの理論モデルの構築,疲労度予測法や基本特性の評価技術を開発した.
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