研究実績の概要 |
植物工場や茸工場の人工栽培での至適生育環境調節技術において、本研究では栽培種「生き物」から誘発する微弱な生体電位を常時観測する。栽培期間中に「生体電位」の意味解読をすることで「生き物」の気持ちを知り、至適生育環境を人工的に制御する画期的な技術開発を行う。本研究では、これまでの蓄積ノウハウを活かし植物工場や茸工場の栽培環境制御を行うSPA(Speaking Plant Approach) やSMA(Speaking Mushroom Approach) システムの新提案を行っている。SPAは従来、植物体の生体計測(生長計測、形態形成,光合成速度,クロロフィル蛍光)に基づき環境調節することが主体で、一定の成果を得て実用化されつつある。そこで本研究では、この他に生体電位計測のパラメータも含め、更に高効率環境制御システムを提案している。現在,地域連携と町おこしを狙った,わさび栽培環境制御システムに提案型SPAを研究室内で試験運用し基本データを取得している。 H29年度では主として、わさび工場の設置に向けた基本システムの設計および設置を行い、至適栽培条件の探求を実施した。また、生体電位をモニタすることで、バイオセンサ機能を検討した。そして、生体電位のバイオリズムに連動した本格的な制御型光源装置の基本設計を実施した。 一方、茸工場関連ではMRI装置を用いた培地内部の高画質化の再検討も一部実施した。前年度に引き続き茸培地の植菌から収穫までの期間のMR画像を撮影することで、外的刺激環境に対する菌糸の発達過程を検証した。
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