ニワトリ胚を母胎の影響を受けない胎児モデルとして用い,胎児成長時の疾患に特有な生理機能変動を調査した.胎児期によく起きる低酸素状態において正常成長胚で見られない胎動が起きる可能性が示された.この現象を詳細に調べるためには簡潔性で任意低酸素濃度での孵卵環境が必要であり,これを開発した. このシステムを用いて低酸素環境における胎動計測を行った.低酸素症により成長が遅れ始める時期(孵卵約110時間,平均値)と本来起こるはずの胎動の減少時期が一致した事から,少なくとも胎動頻度の比較により110時間の段階で異常を診断できる可能性が示された. 今後は例数を重ねて【異常】の診断の精度を向上する必要がある.
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