透明電極および透明高分子基材は光吸収率が低いため、従来の光音響顕微鏡では材料内に熱源を形成することが出来なかった。本研究ではこの問題点を解決するために熱波励起の高効率化を検討し、透明電極内に熱源を形成する方法として、バッキング材を利用して透明電極を透過したレーザ光を光学的に不透明なバッキング材で吸収させ、そこで熱波を生成し、透明膜の熱拡散率を推定する方法を理論と実験の両面から検討した。 照射レーザ光の変調周波数を変化し、発生した信号位相を測定することで、透明層の熱拡散率が簡単に測定できた。得られた値は文献値とも一致し、提案した手法が透明膜の簡単な熱拡散率推定法になり得ることを明らかにした。
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