研究実績の概要 |
サイバーフィジカルシステムをその構成単位ごとに自律的に行動するマルチエージェントシステムとしてモデル化し,各エージェントの構造は知的判断部,基本機能部,ネットワーク通信関連部からなるものとした.各機能はUML (Unified Modeling Language) などのモデリング言語を用いて図式的にモデル化し,モデル駆動開発MDD (Model-Driven Development) により,ソースコードをモデルから自動生成した.これにより開発コストの削減や設計と実装の齟齬を減らすことが期待できる. モデル駆動開発はソフトウェアの設計図となるモデルを開発の中心に置き, モデルの再利用や異なる種類のモデルへの変換, モデルから実装成果物の自動生成を含む開発手法で, 開発工数の削減や設計と実装を直結できる. そのためには, システムの構造と振る舞いをプラットフォームに依存しないモデルPIM (Platform Independent Model)にする必要がある.このためのモデルとして実行可能UMLを採用した.実行可能UMLではUMLの一つであるアクティビティ図において,アクションを処理の種類ごとに使い分けて記述し,入出力に使用するデータをピンで表すことで表現される.この実行可能UMLを用いれば,処理およびデータをプラットフォームごとに変換できるので, 一つのモデルから多様なプラットフォームのソースコードを生成できる. 実行可能UMLは有用であるとされるが, このモデルからソースコードの自動生成はまだなされていない.また実行可能UML単体ではデータの取り扱いが不十分である.この問題を解決するために, 本研究ではモデリングツールを活用してクラス図と関連付けた実行可能UMLからソースコードを自動生成する方法を開発した.
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