研究課題
本研究では、センサ・アクチュエータの故障によるフィードバックループの異常を、ループ上に配した検知フィルタを用いて能動的に検知し、故障した要素を自動交換する、自己修復制御法について、その一般化と知能化の研究をすすめている。これまでの成果から、自己修復制御が、その検知フィルタの構造を1次系で与えられること、厳密な数学モデルを利用せずに正確な故障検知が行えること、故障検知に要する最大時間を任意に規定できることなど、他の能動型耐故障制御にはない特長をもつことが、理論と実際の両面から示されてきた。ただ、一般化については、集中型の多入出力系への適用が未解決のままであり、知能化については、適応制御の枠組みの中で自己修復機能を実現した際、出力の微分値が必要となり、その実用性に課題が残されていた。また、バイラテラル制御の異常検知では、操作性が一切考慮されていなかった。そこで、本年度は、これらの解決を図った。具体的には、集中型の多入出力PID制御系の自己修復問題について考察し、その検知性能や安定性などの理論解析を行った。また、自己修復可能な単純適応制御系の構成において、出力の微分値を必要としない新たな設計法を考案し、その検知性能や安定性、追従性能などの理論解析を行った。さらに、バイラテラル制御の異常検知法で、操作性を改良した方法について実機を利用して考察した。本年度は、上記の問題解決のみならず、自己修復制御をネットワーク化制御へ応用する新たな試みも行った。近年、制御系のネットワーク化が進む中で、制御系の安全性・信頼性を高める重要な知見が得られたことを付記しておく。
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IFAC-PapersOnLine
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Journal of Robotics, Networking and Artificial Life
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